「もうやるしかない」苦悩の3年間経て目指す完全復活 甲斐野央が明かす覚悟

フェニックス・リーグのDeNA戦で登板したソフトバンク・甲斐野央【写真:福谷佑介】
フェニックス・リーグのDeNA戦で登板したソフトバンク・甲斐野央【写真:福谷佑介】

「フォアボールで今年痛い目を見てきた。本当にフォアボールはいらない」

 復活に向けた兆しを宮崎の地で見せ始めている。セットアッパーとして2019年の日本一に貢献したソフトバンクの甲斐野央投手。レギュラーシーズンを終えた今、宮崎県内で開催されている秋季教育リーグ「第19回みやざきフェニックス・リーグ」で登板を重ね、来季に向けて試行錯誤を繰り返している。

 27日に行われたDeNA戦では5点リードの7回に登板。先頭の知野を中飛に打ち取ると、続く山本を遊ゴロ、最後は粟飯原を左邪飛に仕留めて3者凡退に。ストライク先行の危なげないピッチングで1イニングを完璧に封じ「四球ゼロだったんで良かったです」と表情を緩めた。

 明らかに異なる投球だった。力みのない投球フォームで、シーズン中に見られたような大きく抜けるようなボールもなし。「練習でフォーム、フォームといろいろ考えていましたけど、今日に関しては本当にもうリリースの瞬間だけを意識してやりました」。ボールを離す瞬間だけに集中し、それでいて、ストレートの最速は球場表示で156キロをマークした。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)