山本祐が決勝犠飛&上沢と初バッテリーで白星
なぜこのタイミングで、新たなバッテリーが生まれたのか――。攻守で背番号「39」の魅力が光った一戦だった。「南海ホークス復刻ナイターin大阪」として行われた4日の日本ハム戦(京セラドーム)。選手たちが南海ホークス時代のユニホームを着用して臨み、1-0の投手戦を制したこの試合で躍動したのが、地元・大阪市大正区出身の山本祐大捕手だった。
両チーム無得点で迎えた6回1死三塁。山本祐が伊藤のスライダーを右翼へ運ぶ先制の犠飛を放ち、これが決勝点となった。守っては先発・上沢直之投手と初めてコンビを組み、7回5安打無失点で6勝目に導くなど、27歳が確かな存在感を放った。
注目すべきはバッテリーだ。今季の上沢は、これまで先発してきた13試合全てで海野隆司捕手とバッテリーを組んでいた。首脳陣が明かしたのは、山本祐に先発マスクを託した意図だ。それが形になったのが7回2死一塁、山本祐がマウンドに行って右腕に声を掛けたシーンだった。
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この先で分かる3つのこと
首脳陣が明かした上沢・山本祐初バッテリーの起用意図
7回2死のピンチ…マウンドで山本祐が上沢に掛けた言葉
指揮官も絶賛!“犠飛キング”山本祐大の勝負強さの秘密
「守りの面だけじゃなくて、バッティングもそうですし。そこは最終判断というか、色々な兼ね合いです。でも今日みたいな接戦で、こうやって良い投球を引き出すことができたのは、祐大にとってもすごく大きな財産になると思います」
そう語ったのは細川亨バッテリーコーチだ。小久保裕紀監督も山本祐の起用について、首脳陣の間でそこまで議論にならなかったことを明かしていた。細川コーチは「祐大には『都度(上沢に)話しかけながら』とは伝えていました。上沢も元々は緩急を使えるピッチャーなので。そこをテーマにうまく組み立てていましたね」と、リードに高い評価を与えた。
上沢自身も新たにバッテリーを組んだ27歳との手ごたえを語った。「試合前からコミュニケーションを取って。意思疎通しながら、投げようと話していました」。光った山本祐の“準備力”ーー。トレード翌日の5月13日から藤原大翔投手のデビュー戦をリードしたことから始まり、ホークスに加入してまもなく3か月。短い期間でも投手陣とコミュニケーションを重ねてきたことが、形となって表れている。
それは7回の場面にも見えた。先頭に安打を許したものの、次の打者を併殺打に打ち取って2アウト。直後の打者に中前打を浴びたところで、マウンドの上沢に声をかけにいった。「ここで繋がれたら、また向こうの流れになる瞬間だったので。『なんとかここで切りましょう』というところと、『繋がらせないようにしましょう』という話をしに行きました」。右腕が「調子が良くなかった」と振り返った登板で、最後まで”あと一本”を許さなかった。
実は犠飛キング…笑顔で「頑張っています」
打者としても起用に応えた。「あの打席は死に物狂いで、どんなボールでも前に飛ばしてやろうと思って打席に臨みました」。そう振り返った6回の先制犠飛。小久保裕紀監督も「ああいうバッティングができるのは、バッターとしての評価も非常に高いです」と絶賛した。
実は山本祐は”犠飛キング”でもある。2024年は6本、2025年も7本を記録し、2年連続でセ・リーグ最多だった。「(その記録は)知っていました。僕はそんなにぼこすかヒットを打てないので。頑張っています。『とにかく前へ』という感じです」。笑顔でそう話したが、この日もカウントが進むにつれてバットを短く持ち、狙い通りの打球を飛ばした。チームが欲しかった1点を、確実にもぎ取った。
攻守で期待に応えた背番号「39」。ホークスは今季の日本ハム戦の勝ち越しを決め、4連勝で貯金を今季最多の27とした。年に一度の特別な一戦を制し、リーグ3連覇へまた一歩前進した。山本祐の存在がホークスをさらに勢いづける。
(森大樹 / Daiki Mori)