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2025.09.27

杉山一樹&海野隆司の絆…4月29日の“大ゲンカ” 密室に響き渡った怒声「お前、3回目やぞ!」

杉山一樹と海野隆司

 ホークスは2年連続のリーグ優勝を飾りました。鷹フルでは主力選手はもちろん、若手やスタッフにもスポットライトを当てながら今シーズンを振り返っていきます。杉山一樹投手が明かしたのは、バッテリーを組む海野隆司捕手との“大ゲンカ”――。苦しかった春先から、胴上げの瞬間まで。ぶつかり、深めあった2人の絆に迫ります。

◇◇◇

 ミーティングルームに、怒声が響き渡った。「お前、3回目やぞ!」。今シーズン途中から守護神として君臨した杉山と、捕手として大きな成長を遂げた海野。歓喜の瞬間に辿り着くまで、2人は何度も腹を割ってぶつかった。そんな中で、右腕がどうしても許せない言葉があった。

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 7年目を迎えた今季、杉山はチームトップの64試合に登板。30セーブを挙げ、初タイトルを狙える状況だ。大きな飛躍を遂げた2025年シーズンだったが、春先はチーム状況と重なるように杉山も苦しい船出を強いられた。5月までに3度のリリーフ失敗。その全てでバッテリーを組んでいたのが海野だった。4月29日の日本ハム戦(みずほPayPayドーム)、延長10回に登板し、水野に決勝弾を浴びて2敗目を喫すると、海野をミーティングルームに呼び出した。

 3月29日のロッテ戦、4月22日のオリックス戦、そして水野に打たれた日本ハム戦。3度の失敗に共通していたのは、事前の打ち合わせとは違ったサインを海野が出してきたことだ。「僕もブルペンで映像を見ながらシミュレーションするじゃないですか。あの時(日本ハム戦)も『じゃあこう攻めよう』っていう話はしていたんです。迷ってサインを出されても、僕も怖いし。『お前が腹を括ってくれたら、俺はもっと括れるから』って伝えました」。およそ90分にわたって、お互いの意見をぶつけ合った。

 捕手として、徹底的に準備をしているのは当然知っている。だからこそ、海野の口から「ごめん」という言葉が出てきたことだけは許せなかった。結果で応えられなかったとしても、プロとして胸を張ってほしかった。

「海野に謝られたんです。でも『ごめん』って、キャッチャーから出てくる言葉じゃないと思うんですよね。出るとしたら僕らの投げミスだとか、リードに添えなかったピッチャーの技術不足だと思います。あいつの『ごめん』は絶対にない。バッターの雰囲気とか海野の方が感じられると思うし。『そこはもう腹を括ってくれ』『ミーティングと違うサインでいくなら、覚悟を決めて出してくれ』っていうのはありました。僕も嫌だったら首を振るし。違うことをすると、お互いに後悔が残ってしまうので」

 厳しく聞こえる言葉だが、根底にあったのは海野に対する信頼そのものだ。「どんな状況になっても、結局海野が引っ張っていくしかないんです。僕らは経験も浅いですけど、この世代で頑張っていきたいので」。怒りに身を任せて感情的になるのは、お互いにとってプラスにならない。どう伝えるべきか――。事前に相談した伴元裕メンタルパフォーマンスコーチからは「第3者も呼ぼう」との助言をもらった。高谷裕亮バッテリーコーチや裏方さん数人にも立ち会ってもらうなど、客観的な視点も忘れなかった。

 90分の話し合いを終えて、ミーティングルームを飛び出した。試合終了から2時間が過ぎ、時刻は午後11時になろうとしていた。球場を去る直前に、杉山と海野は再び顔を合わせた。ポツリと漏らしたのは「優勝したいよな」。当時のチーム状況は9勝14敗2分け。どれだけ苦しくても、歓喜への“渇望”だけは抱き続けた。「腹を括る」――。それが2人の“合言葉”になった。

 海野の変化を感じたのは、5月5日の西武戦(ベルーナドーム)だ。「あの日本ハム戦の後、3回目の登板でした」。2点リードの8回2死一、三塁で中村剛也を打席に迎える。フルカウントからのラストボールは、155キロの直球だった。「絶対フォークだと思ったんですけど、(海野に)『どんな気持ちでサイン出した?』って聞いたら『腹を括って真っすぐで三振を取りたかった』と言っていたので、僕はそこに感動しました」。苦しい戦いの中でも、“相棒”は確かに変わろうとしている――。弱さを受け入れ、前を向く姿に胸を打たれた。

 6月からは守護神となり、何度も“勝利の瞬間”をともにした。試合の終盤になれば、ブルペンで準備を始める右腕。「8回とかに海野が打ち合わせに来るじゃないですか。もう本当に死にそうな顔をしているんですよ。『やるか、やられるか。どうせなら勝とうぜ』って」。1997年世代の同学年で、ロッカーも隣同士。タブレット端末を見ながら、データを頭に入れようとする海野の姿を何度も目にした。「苦しんでいたと思いますよ。だから独りにはしたくなかったですね」。勝敗を背負う重圧は分かち合ってきた。修羅場を乗り越えるたびに、2人の絆は固くなった。

 1つずつマジックを減らし、リーグ連覇が見えてきたころ。杉山がこう語っていた。「野手の皆さんもそうですけど、ここまで投げられたのは海野のおかげ。優勝の瞬間によくピッチャーとキャッチャーが抱きつくじゃないですか。僕は海野を抱っこしたいです。一番苦しんで優勝に貢献したと思うので」。ベルーナドームで生まれた歓喜の輪の中心。“衝突”を乗り越えて、最高の笑顔で2人は抱き合った。

(竹村岳 / Gaku Takemura)

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原愛梨

書道家
原 愛梨 (はら あいり)
1993年10月2日 / 出身地:福岡県
2歳から書道を始め、最年少で文部科学大臣賞受賞。文字と絵を組み合わせた“書道アート”という新しいジャンルを確立。親しみやすい性格と天真爛漫なキャラクターを武器に、メディアやイベントなどジャンルを問わず幅広い分野で活躍する今話題の書道アーティスト。

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