山本祐大「良い選手でありたい」 手術から32日…異例のスピード復帰の舞台裏 離脱中に見つめた”ホークスの野球”

  • 記者:森大樹
    2026.07.16
  • 1軍
14日の阪神2軍戦で復帰を果たした山本祐大【写真:森大樹】
14日の阪神2軍戦で復帰を果たした山本祐大【写真:森大樹】

山本祐大が明かした復帰までの舞台裏

 手術からわずか1か月で背番号「39」がグラウンドに戻ってきた。「すごくいいスタートが切れたなと思います」。14日のファーム・リーグ阪神戦(倉敷マスカットスタジアム)で、山本祐大捕手が「2番・捕手」で実戦復帰を果たした。明かしたスピード復帰までの裏側と、覚悟の言葉とはーー。

 山本祐は5月12日にDeNAからトレードで加入。14試合に出場して打率.349、2本塁打、9打点と鮮烈な印象を残したが、左手を骨折して6月12日に「左手有鉤骨鉤摘出術」を受けた。当初は競技復帰までは「2か月から3か月」とされた中で、手術を受けてからわずか32日後での異例の早期復帰となった。

 復帰戦ではいきなりマルチヒットを記録し、上々の再スタートを切った。本人が語った“このタイミング”でのゲーム復帰となった明確な理由とはーー。1か月の舞台裏を明かした。「良い選手でありたい」。口にしたのは山本祐らしい言葉だった。

会員になると続きをご覧いただけます

この先で分かる3つのこと

予定を前倒し!異例の早期復帰を決断した「本当の理由」
移籍直後の大怪我…彼が球団に最も「感謝したこと」とは
ホークスの野球を毎日見つめ、彼が抱いた「新たな覚悟」

「ちょうどプラン的に(試合復帰が)この週明けのタイミングだったので。(14日からの2軍戦が)自分が目指す復帰の計画に一番マッチしたと思います。遠征ではありましたけど、早く1軍に戻りたいですし、アピールもしたいので。1打席でも多く立って、1打席でも早くチャンスを掴みたいと思って、ここでの実戦復帰になりました」

 ライブBPなど段階を踏みながら調整を重ね、ついに実戦の舞台へ戻ってきた。「やっぱりゲームならではの『考えること、気にしないといけないこと』が多かったなと思いますね。ヒットはやっぱり打つと嬉しいですし、感触もすごく良かったです」。久々の実戦を笑顔で振り返りながら、口にしたのは感謝の言葉だった。

「トレーナーさんを含めて、色々な方がサポートしてくれたおかげです。そもそも、ホークスに来たばかりの僕に手術をさせてくれた球団にまず感謝しています。プランを進めてくれて、皆さんが復帰を早めてくれた。本当に感謝しています」

第2打席で復帰後初安打を放った山本祐大【写真:森大樹】
第2打席で復帰後初安打を放った山本祐大【写真:森大樹】

必要とされるために「良い選手でありたい」

 リハビリ期間中は、午前中にタマスタ筑後で汗を流し、残りの時間はチームを知るための時間にも充てた。「2軍戦も見ましたし、1軍戦ももちろん毎日見ていました。『このピッチャーがこういう感じで投げているんだな』みたいな」。トレード加入後すぐに1軍へ合流し、これまでチームメートを知るための時間は決して多くなかった。離脱中も首位を走るホークスの野球を見つめ、自分のあるべき姿を冷静に口にした。

「素晴らしい野球をしていますし、やっぱり『勝つ野球』をしていて、粘り強さもあって爆発力もある。見ていて色々な勝ち方をできているなっていうイメージがあったので。僕ももちろん(1軍に)行くからにはそこに入っていかないといけないので。『良い選手でありたいな』と思います」

 今後については「全然わからないです」と率直に話しながらも、視線は1軍だけを見据えていた。「試合に出て、監督がチームに『必要だ』と思ったら(1軍に)上がれると思うので。そういう選手になるために、アピールできるように頑張ります」。シーズンは80試合以上を消化し、後半戦に突入。この1か月が決して無駄にならないように過ごしてきた。

「怪我をしないに越したことはないんでしょうけど、その事実は受け入れながら。いい方向に気持ちも進められました。チームのことも野球のことも、色々なことをまた知れたので」。悔しさを糧に前を向いて歩んできた1か月だった。チームにとっても、山本祐大の復帰は間違いなく大きな追い風となる。

(森大樹 / Daiki Mori)