海野隆司が口にした「恥ずかしいので」 小久保監督が直々に助言…「嫌な1割7分」への本音

  • 記者:森大樹
    2026.06.30
  • 1軍
一緒にノックを受ける海野隆司(右)と小久保裕紀監督【写真:加治屋友輝】
一緒にノックを受ける海野隆司(右)と小久保裕紀監督【写真:加治屋友輝】

指揮官の「相手チームにとって少しでも嫌な1割7分」に本音

 指揮官の言葉をどう受け止めて、前へ進むのか――。雨天中止となった26日のロッテ戦(ZOZOマリン)。選手たちは室内練習場で汗を流した。そんな練習の最中、小久保裕紀監督が共にキャッチボールやノックを行い、ティーバッティングの際、熱心にアドバイスを送っていたのは、海野隆司捕手に対してだった。

 今季は自身初の開幕マスクを勝ち取ったが、5月12日に山本祐大捕手がトレードで加入すると出場機会が激減。しかし山本祐が左手を骨折して離脱すると、再び海野がメーンで起用されている。6月17日の全体練習で指揮官は「危機感はあるでしょう。週1キャッチャーに戻るかは、(山本祐が)いない時の結果でしょうね。(打率が)1割7分でも1割8分でも、相手チームにとって少しでも嫌な1割7分だったらいいという話はしました」とコメントしていた。

 引き分けに終わった28日のロッテ戦(ZOZOマリン)では、2回1死二塁のチャンスで左前打を放ち、正木智也外野手による先制3ランをお膳立てするなど、2安打の活躍。試行錯誤が続く日々。指揮官の言葉をどう受け止めたのか――。海野がポツリと漏らした言葉に、今の思いが滲んでいた。

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この先で分かる3つのこと

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「打率1割7分じゃなくて、2割打ちたいっていう気持ちです。2割で満足しちゃダメですけど、とにかく現状よりいい数字。1割7分じゃ恥ずかしいので。ただそういう気持ちです」

 25日のオリックス戦(みずほPayPayドーム)では同点の6回1死二、三塁のチャンスで空振り三振。翌日、幕張の室内練習場で指揮官から「普段の打席とチャンスの時で、打席での姿が全然違う」と力みにより生まれている“ズレ”を指摘された。自らも「一番わかっています。技術もそうですけど、メンタルです」と言葉を残した。

「ボールの見え方も悪くないので。色々と変えながら……。そんな大きく変えることはないんですけど、試行錯誤しながら自分の中でいい感覚を見つけていこうと思っています」

 昨季はキャリアハイとなる105試合に出場し、リーグ連覇と日本一に貢献。しかし、日本一直後のビールかけで「来年はバッティングも期待します。今のままではちょっと厳しいかもしれません」と指揮官からゲキを送られた。そして、今季はシーズン中に“打てる捕手”が加入。危機感を抱かないはずがない。

海野隆司のティー打撃中にアドバイスを送る小久保裕紀監督(右)【写真:加治屋友輝】
海野隆司のティー打撃中にアドバイスを送る小久保裕紀監督(右)【写真:加治屋友輝】

2安打放つも言い残した「もっと練習しないといけない」

 13日のヤクルト戦(みずほPayPayドーム)では、ランナーのいない打席でバスター打法を試すなど、変化を見せる場面もあった。苦しみながらも様々なアプローチで試合に臨む姿勢に、細川亨バッテリーコーチは「それが当たり前だと思う」。そう言いながらも、必死に前に進もうとする心中を推し量った。

「祐大が抜けたので、チャンスだと思ってそこを掴みに行くための行動だと思っています。あとはもうどうやって結果を残すか。打つ方でも守る方でも、信用や信頼は結果で掴み取っていけるものだと思うので。結果を出すことで、その一瞬を掴んでほしいなとは思います」

 28日のロッテ戦は延長12回、4時間23分にも及ぶ熱戦となった。守りでは6回以降、リリーフ7投手をリードして無失点に封じた。打撃でも2安打の活躍を見せたが「打つ方はまだまだ。もっと練習しないといけないので」と、言い残して球場を後にした。指揮官の言葉も、期待を込めてその働きを強く望んでいるからこそ。悩みもがきながら、殻を破って存在感を示したい。

(森大樹 / Daiki Mori)