13日の西武戦後…小久保監督から問われた“意思”
プロ野球選手として、迷いはなかった。「やります」――。13日にみずほPayPayドームで行われた西武戦の試合後、谷川原健太捕手は監督室に呼ばれた。指揮官から告げられたのは、プレーの軸足を外野手に移すか否か。決断をゆだねられた29歳は即答した。
12日、DeNAの山本祐大捕手がトレードで加入することが決まった。2024年にはベストナインとゴールデン・グラブ賞に選出されるなど、セ・リーグを代表するキャッチャーが加わり、ホークス捕手陣の勢力図は様変わりした。
2023年の秋季キャンプで小久保裕紀監督から「捕手専念指令」を受けた。当時、外野も守れるユーティリティプレーヤーとしての立ち位置を築きつつあったが、この時も迷いなく決断した。「キャッチャーで勝負したいという気持ちが出てきた」。そう語るほど、捕手というポジションへの思いが強い男が“外野再転向”を決意した。谷川原の本音、そして首脳陣が描く「戦略」について迫った。
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この先で分かる3つのこと
村松コーチが明言した、「1軍での具体的役割」
捕手専念の思いよりも谷川原が「最も優先した事」
今季5試合でスタメンマスクも…首脳陣が明かす“今後”
「監督から『祐大が来て、キャッチャーはいるから。外野をやったほうが(出場機会は)広がるけど、どうする?』と。すぐに『やります』と伝えました。(外野は)初めてやるポジションではないですし、今日シートノックで守ってみても変な感じはなかったので。やっていくうちに感覚も戻ってくると思います」
自らのプライドよりも優先した「貢献」
谷川原が守りたかったのは、自らのプライドではなかった。プロ野球選手として、何が一番大切か――。「どのポジションでも1軍でチームに貢献することが一番ですし、それがなにより優先だったので。そこは迷わなかったですね」。真っすぐな目で、自身の思いを口にした。
「監督から『(外野を)やるかどうか』と本人の意思を確認をして。やりたいということなので。外野の守備固めや代走がメインになってくると思います。ずっとプレーしていなかったので。ちょっと多めに練習をやってもらおうかと考えています」
そう語ったのは村松有人野手チーフコーチだった。谷川原は今季ここまで14試合に出場し、うち5試合でスタメンマスクをかぶっている。今後の起用について「キャッチャーでのスタメンマスクはないかなと思います」と言及。「外野守備と走塁、そして第3捕手としてやってもらうことになる」と役割を説明した。
小久保監督も12日の試合前にこう語っていた。「僕のプランにあったビハインドで栗原(陵矢)を(捕手で)起用するというのはやめようかと思います。打つ方であれだけ貢献してくれているので。4月の時点では『今はまだない』と話しましたけど、今は『やるべきではない』という判断です」。今後、捕手のメーン起用は海野隆司捕手と山本祐の2人、そして谷川原と栗原が“第3捕手”の立ち位置となりそうだ。
村松コーチは「外野の守備固めと代走要員は今、川村(友斗)しかいないので。そこに加わってほしい」とも説明した。首脳陣は1軍の戦力として谷川原を必要としていることは間違いない。覚悟を決めた29歳の存在がチームにとってプラスとなることは間違いないだろう。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)