三笠GMに聞く山本祐大獲得の“真意” 球団が描く今後の補強戦略…「まだ時間もある」

  • 記者:長濱幸治
    2026.05.13
  • 1軍
入団会見に臨んだ山本祐大(右)と三笠杉彦GM【写真:栗木一考】
入団会見に臨んだ山本祐大(右)と三笠杉彦GM【写真:栗木一考】

練習前にグラウンド集合…歓迎の拍手も

 ホークスの帽子をかぶせてもらうと、緊張気味だった表情がようやく和らいだ。13日、DeNAからトレードで加入した山本祐大捕手の入団会見が行われた。「常勝軍団ですし、個々の選手の能力も高い。こういうチームのレギュラーが日本を代表する選手だと思っていたので。自分の力を試せますし、ワクワクしています」。27歳は初々しく意気込みを口にした。

 会見後に行われた試合前練習では選手や首脳陣、スタッフらがグラウンドに集合し、新たな仲間に歓迎の拍手を送った。リーグ3連覇、そして2年連続の日本一に向けて力強い戦力が加わったが、一方で捕手陣には熾烈な争いが待っていることも事実だ。

 鷹フルは入団会見の直後、三笠杉彦GMに単独取材を行った。球団の編成部門でトップに立つ三笠GMが明かした“電撃トレード”の真意とは――。また、今後の補強方針についても話を聞いた。

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この先で分かる3つのこと

海野の「一本立ち」も…捕手補強に動いた真意とは
続くDeNAとのトレード…GMが明かした“理由”
支配下枠は「6」…7月末までに描く「補強戦略」

「昨年から捕手が補強ポイントだという認識は持っていました。他にも良い選手は多くいるという前提ですが、山本選手については当然調査は続けていました」

 ホークスで長く正捕手を務めてきた甲斐拓也捕手が2024年オフに巨人へFA移籍したこともあり、補強ポイントは明確だった。結果的に昨シーズンは海野隆司捕手が捕手陣で最多の105試合に出場し、チームはリーグ連覇、そして5年ぶりの日本一を達成した。海野が「一本立ち」した感もあった中で、今回のトレードは決行された。

正捕手はあくまで競争「最も力のある選手に」

「海野君も昨シーズンは本当によくやってくれました。ただ小久保(裕紀)監督もおっしゃっていましたけど、野手はディフェンスもそうですけど、打撃を含めた総合力が必要なので。チームをさらに強くしていくために、山本選手が必要だと判断したということです」

 もちろん、山本祐を正捕手起用すると決まっているわけではない。「球団としては最も力のある選手に試合へ出てもらう。そこは変わりません」。三笠GMはあくまで競争してもらう方針を強調した。

 DeNAとのトレードについては、2024年オフにも成立していた(三森大貴内野手と浜口遥大投手が対象)。DeNAもホークスと同様に最先端のデータを重要視するチームカラーだが、三笠GMは「そこはあまり関係はなく、たまたま縁が重なっただけです」と説明する。一方で「同一リーグのトレードよりは……という考えはありますし、やはりベイスターズさんはAクラスが続いているので。それだけ魅力的な選手が多いというのは間違いないですね」と明かした。

 ホークスからは尾形崇斗投手、井上朋也内野手の2人が移籍することとなり、現時点での支配下登録枠は「6」となった。補強期限となる7月末まで残り2か月あまり。球団として、今後の戦略をどのように描いているのか。

「育成選手にとってもチャンスが広がったという面は確かにあると思います。そこを意図したトレードではないですが、期限までまだ時間もあるので。当然、育成から支配下へというところを中心に、トレードも含めて色々と考えていきたいと思っています」

“目指せ世界一”を標榜するホークスにとって、積極的な戦力補強は避けては通れない道だ。激しい競争の末にグラウンドに立つのは誰か――。シーズン中もサバイバルから目が離せない。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)