貫く試合後の日課…庄子が成長できた理由
躍進の裏には、毎日欠かさなかった努力があった――。ミスをしても、決して下を向かずに前を向く。庄子雄大内野手は、厳しいプロの世界で失敗と向き合いながら成長を遂げ、チームのためにグラウンドを駆け巡ってきた。その積み重ねが、首脳陣から「使いたくなる選手」と評価される理由の1つになっている。
プロ2年目の今季、庄子は自己最多の108試合に出場。リーグ2位の22盗塁を記録するなど、飛躍の1年を過ごした。本多雄一内野守備走塁兼作戦コーチも、着実に成長を遂げた背番号「25」の姿を「失敗を成功に変えた。課題を克服し続けた1年だったんじゃないですかね」と評価する。
その姿勢は、ミスを犯した直後の行動にこそ表れていた。庄子が試合後に必ず欠かさない日課がある。ほとんど毎日、試合前に言葉を交わす伴元裕メンタルパフォーマンスコーチも、思わず「庄子すごいな……嫌じゃないのか?」と尋ねたことがあるほどの行動だ。
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この先で分かる3つのこと
伴コーチが驚いた、庄子が毎日欠かさない「ある行動」とは
1試合2失策の夜。ミスから目を背けない彼独自の流儀とは
翌日には引きずらない!本人が語った「ルーティンの真意」
「良いプレーも悪いプレーも出たとしても、その日の打席と守備機会は全部見直すようにはしているので。良いプレーが出た時は、なんで良いプレーができたか。逆に悪いプレーになった時は、なんでそうなったのかっていうところは欠かさずやっています」
どんな試合の後でも、庄子が欠かさず行ってきたこと。それは、自身のプレーを振り返ることだった。「特別に変わったことじゃないかなとは思いますけど、それはずっとやっていますね」と淡々と語るが、そこには失敗から目を背けない姿勢がある。
伴コーチも驚いた庄子の流儀
リーグ優勝を決め、迎えた9月19日の楽天戦(楽天モバイル最強パーク)。2回にゴロをファンブルすると、5回2死満塁の場面では再びゴロを捕球できず、タイムリーエラーとなった。プロ入り後初の1試合2失策。チームも敗れ、試合後には悔しそうな表情を浮かべながら宿舎行きのバスに乗り込んだ。
伴コーチが驚かされたのは、その翌日に交わした会話だった。
「その日の夜の間に、とにかくミスした場面の動画を何度も見て『やっぱりこれが原因でした』みたいに言ってきたんです。『庄子すごいな。うまくいかなかった時、ちゃんと見に行こうと思うんだね。見るのは嫌じゃないのか? 怖くないのか?』って聞いたんです」
伴コーチの問いに対する答えに、庄子が貫いてきた姿勢が表れていた。
「嫌なんですけど、とにかく何か起こった時に、なんでミスしちゃったんだろうってモヤモヤしている時間をどれだけ減らせるかが、やっぱりすごく大事。『これが原因だったから次はこれをやろう』って。具体的に次にやるべきことが分かっていない状態が一番モヤモヤするので。こうするとそうならないかもしれないっていう具体的な行動を出すことを早くやろうと思っています」
球場からホテルへ向かう移動中も、宿舎に戻ってからも映像を見返し、原因を分析する。人工芝の「みずほPayPayドーム」と天然芝の「楽天モバイル最強パーク」では、打球の弾み方も異なる。環境の違いも踏まえながら、自分に必要な対応を探った。
「やり方を変えないといけないってことに気づくことができた。『(今宮)健太さんだったらこうやっていたな』とか。行動までちゃんと整理しきるっていう。彼はそれをとにかくその日のうちに全部終わらせています」。こう語る伴コーチは「それが庄子雄大のスタンダード。すごいですよ」と称えていた。
庄子が明かすルーティンの理由
翌20日の楽天戦ではタイムリーを放ち、バットで悔しさを晴らした。失敗を振り返り、原因を突き止め、次に取るべき行動を明確にする。そして翌日には気持ちを切り替え、新たなプレーに臨む。そんな習慣を1年間続けてきたからこそ、着実な成長につながった。庄子はルーティンを続ける理由をこう説明する。
「その日のうちにやっぱり消化したいタイプなので。同じミスをしないようにもちろん反省はしますけど、次の日グラウンドに来る時は、もうそのミスは終わったことにして。今日どういうプレーをするかっていうことだけを考えて球場に来ています」
日本ハムとのCSファイナルでは打率.455の好成績を残し、MVPを獲得。そして12日に開幕する「ラグザス アジアプロ野球チャンピオンシップ2026」では、野球日本代表「侍ジャパン」の一員として日の丸を背負う。目の前の課題を1つずつ乗り越えてきた24歳は、ホークスの将来を背負う存在へと着実に階段を上っている。
(森大樹 / Daiki Mori)