前田悠伍にとって“図星”だった言葉 帰りの車で2人きり…裏方さんから「正直、ビビったでしょ」

  • 記者:竹村岳
    2026.10.17
  • 1軍
5回のピンチで集中する前田悠伍【写真:栗木一考】
5回のピンチで集中する前田悠伍【写真:栗木一考】

5回のピンチ「もう1つ低ければ結果も変わった」

 21歳の闘争心がほとばしる。試合を左右する大きなピンチで、一歩も引くことはなかった。マウンドで見せる圧倒的な立ち姿こそ、前田悠伍投手の真骨頂。一切の迷いを捨て去り、全力で立ち向かうことができたのは、大切な気持ちに気づかせてくれたある人物の“一言”があったからだ。

 16日に行われた日本ハムとのCSファイナルステージ第3戦(みずほPayPayドーム)。左腕自身にとってポストシーズン初登板初先発だった。初回に先制点を献上した前田悠だが、最大の踏ん張りどころは5回にやってきた。無死一塁で一塁手の正木智也外野手が失策を喫し、無死二、三塁にピンチが広がった。ここから、左腕のギアはグッと上がっていた。

 奈良間を三ゴロに仕留めると、郡司は3球三振。2死までたどり着き、水野に対してもすぐに追い込んだ。最後は二塁への適時内野安打となったが、「絶対に打たせない」という集中力がひしひしと伝わってくるシーンだった。

「1点も取られないようにという意識ではいましたけど、最後に点を取られたのはまだまだ力不足だなとは感じました。ツーアウト、ツーストライクまでいきましたし、(ラストボールが)もう1つ低ければ結果も変わったと思います。正木さんのエラーという形で進塁しましたけど、絶対に自分が取り返すという気持ちでした。逆に攻めていけたことが、最少失点でしのげた理由なのかなと思います」

 直後に正木が逆転2ランを放ち、CS初勝利が転がり込んできた。レギュラーシーズンではチームトップタイの12勝。負けられない短期決戦で掴み取った白星もまた、21歳の自信へと変わるはずだ。

 誰よりも負けず嫌いで、ピンチでも物怖じしないことが最大の強み。そんな左腕が1度だけ、相手の勢いに「受け身」になってしまったことがあった。帰りのタクシーで、2人きり。スタッフからかけられた言葉は、あまりにも図星だった。「正直、ビビったでしょ?」――。

会員になると続きをご覧いただけます

この先で分かる3つのこと

帰りの車内で図星…裏方さんが前田悠伍に見抜いた心理状態
アップ時から異変…岡本SCが明かす「いつもと違った雰囲気」
「ワクワクしている」小久保監督も感銘を受けた前田悠伍のマウンド姿勢

8月20日の日本ハム戦…帰りのタクシーで「ビビった?」

逆転2ランを放った正木智也とハイタッチする前田悠伍【写真:栗木一考】
逆転2ランを放った正木智也とハイタッチする前田悠伍【写真:栗木一考】

初のCS登板「雰囲気もすごく良かったです」

(竹村岳 / Gaku Takemura)