山川穂高が振り返る宮崎での調整期間
南国の太陽の下で、じっくりとバットを振った。山川穂高内野手は、8日から「みやざきフェニックス・リーグ」で4試合に出場して2安打。12日の広島戦(天福)では、4回の第2打席で左前打を放った。14日から始まるクライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージに向けて、一足先に福岡へと戻った。
1軍管轄の野手では唯一、宮崎での調整を選択した背番号5。実戦の中で結果を追い求めるというよりも、自分らしく過ごすことに意味があった。打撃の感覚を確かめ、新たなバットも試した5日間。山川が求めていたものは、目に見える数字だけではなかった。短期決戦を見据え、自らの感覚と愚直に向き合った。グリップの位置、そして2センチ短くした新たなバットに込めた思いと、決戦へ向けた現在地とは――。
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この先で分かる3つのこと
山川穂高が宮崎調整を選んだ「個人的な好み」と本当の狙い
バットを2センチ短く…山川穂高が試した新たな道具の変化
掴める可能性がある…山川穂高がCS直前に抱く手応えとは
「この期間で『何かを掴む』というのではないですね。この期間で掴めるなら、多分とうに掴めていると思うし」
短期間で何かを得ようとする考えはない。宮崎は本拠地のある福岡から近く、そして何よりも太陽の下で体を動かすことを好み、この調整法を選択した。「外の暑い中だったら、汗もいっぱい出る。美味しいご飯も食べて、そこでなにかやる方が好きだなという。僕個人の好みみたいなところもありますね」。屋外で練習できる環境そのものが、山川にとって大切な時間だった。
もちろん、常に打撃の試行錯誤を繰り返している。10日のハンファイーグルス戦(サンマリンスタジアム)では、グリップの位置を低く構えてバットを真っすぐに立てる形を試した。「スッと立つ感覚はありました。ちょっと低く構えて、バットを真っすぐに立ててみて、バーンって打つ」。些細な変化で、打席から見える景色が変わることもある。どんな時も、シーズンを通して細かな調整を繰り返してきた。
「見ている人がわからないレベルかもしれないですけど、もうちょっとこうかな、もうちょっとこうかなというのは常にやっていることです」。1打席ごとの感覚を確かめ、自らへのフィードバックもしながら、納得できる形を探し続けている。宮崎で過ごした4試合は、そんな日々となった。
新たなバットも試し「CSで打てたら掴めるだろうし」
新たなバットも試した。これまで使用していたものから長さを2センチ短くし、重さも約30グラム軽くしたという。「振りやすかったです。扱いやすい」。フェニックス・リーグ期間中で試せた機会は少なかったが、道具の変化が打撃にどのような影響を与えるかは、これから見極めていく。
「今ここでいい答えが出せるほどの状態ではないですけど、ただその状態になる可能性はありますよね。CSで打てたら掴めるだろうし。その前段階として宮崎に来て、元気よく動けただけでもこの期間はよかったのかなと思います」
心身の状態を確かめながら過ごした宮崎での時間。短期間で劇的な変化を求めるのではなく、自分らしい調整をするためにバットを振り続けた。2024年にはCSで「MVP」を獲得した山川が、短期決戦でどんな勝負強さを見せるのか。注目したい。
(飯田航平 / Kohei Iida)