当時は謎だったコメント「好きな数字です」
ホークスは17日、球団の福岡移転後初となるリーグ3連覇を成し遂げました。鷹フルでは主力選手はもちろん、若手や首脳陣、スタッフにもスポットライトを当てながら、2026年シーズンを振り返っていきます。37歳にして3年ぶりの規定打席をクリアし、打線の中核として優勝に大きく貢献した柳田悠岐外野手。“謎の言葉”として注目が集まった「ハチヨンナナ」の真相を明かしてくれました。また、7年契約の最終年だった今シーズン、一番のモチベーションとなっていたのは――。「ミスターホークス」の本音に迫りました。
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突然生まれた“ギータ語録”に、報道陣が色めきだった。7月16日の日本ハム戦(エスコンフィールド)で6回に右翼越えの豪快なアーチを放った柳田は、試合中に広報を通じてコメントを出した。「ロッテのポランコ選手のスイングをイメージし、イメージ通りのバッティングができました。とにかくホームランといい形になって良かったです。これぞ847(ハチヨンナナ)です!」。俗にいう“原稿の匂い”に、試合後の囲み取材には多くの記者が集まった。
「好きな数字です。8と4と7。自分の中でラッキーナンバーを唱えていただけです。本当ですよ。順番です。8、4、7」
柳田らしい回答に、どこか納得しながらも首をひねる報道陣。特に意味のなさそうな数字の羅列に謎が深まるばかりだったが、柳田が明かしたのは“意外な真相”だった。「たまたまっすよ」――。夏場にかけて調子を上げてきた打撃と密接に関係していた「847」。そして、球団としては実に60年ぶりとなるリーグ3連覇にたどり着いた今だからこそ口にする、大きなモチベーションがあった。
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この先で分かる3つのこと
謎の言葉「ハチヨンナナ」に隠された意外な真相とは
7年契約最終年に柳田が明かした現役続行への本音
37歳の柳田悠岐を支えた「一番のモチベーション」
状態を上げてきた夏場以降、柳田の手には新たなバットが握られていた。その重さは847グラム。「はい、そうっす」。謎に包まれた“ハチヨンナナ”の真相を確認すると、本人は実にあっけらかんと認めた。
1グラム単位で新たなバットを注文したことに打者としてのこだわりを感じたが、それは違った。「いや、たまたまっすよ。847グラムでお願いしたわけじゃないので」。手元に届いたバットの重さに誤差が生まれるのは、珍しいことではないという。
昨オフに語っていた思い「契約をいただけるような」
「847バット」が幸運を運んできたかのように思えるが、柳田は今度こそ打者としてのプライドを口にした。「いや、バットは関係ないですね。技術が上がったと思います」。37歳にして実感する成長。「野球が上手くなったというよりは、色々と考えて。それが数字につながっているなっていう感じですね」。7月以降は長打よりも確実性に意識を向けることで、一気に打率を向上させた。これまで数々の栄光を手にした男の変化をいとわない姿にこそ、柳田の本領が見える。
2020年オフに結んだ7年契約は、今シーズンで満了する。ここ2年は故障に悩まされ、満足いく結果を残せずにいた柳田は、昨オフにこう口にしていた。「その先に契約がくるのかどうかも、来シーズンの結果次第だと思うので。来シーズンはしっかり活躍して、その先の契約を考えていただけるような成績を出したいなと思います」。かつて2026年シーズン限りで「フィニッシュ」と語っていた柳田が語った、現役続行への思いだった。
球団が求める成績を残せなければ、ユニフォームを着続けることはできない世界。まだまだ第一線でやれる力を示した2026年、柳田のモチベーションは自らに向いてはいなかった。
「いつも投げて下さる打撃投手の濱涯(泰司) さんと寺地(健)さん。試合前だったら(打撃投手の)草野(晃平)とか、治療をしてくれる(1軍アスレティックトレーナーの)貴戸(伸二)さん。この4人には本当に感謝をしていますし、ここまでこれているのも、本当に皆さんのおかげ。もちろん他のスタッフの皆さんにもお世話になってますし、全て裏方さんのおかげです」
日々グラウンドに立つため、尽力してくれるスタッフがいるからこそ最高のパフォーマンスが発揮できる。だからこそ、1年間を戦い抜いた喜びを分かち合いたかった。「もちろん優勝して喜んでもらえるように。それが一番強くないですか? みんなそうだと思います」。
開幕前には慢性的な首痛を抱えながらも、周囲のサポートもあって“完走”を果たした37歳。柔らかな笑顔は、口にした言葉が本心だった表れだった。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)