魅せた背走スーパーキャッチ「すげえ伸びてきた」
2年前には惜しくも達成できなかった”快挙”が、いよいよ見えてきた。「もうゼロで終わる分には、ゼロで終わりたい。その思いはやっぱりありますね」。さわやかな笑みでそう口にしたのは、周東佑京外野手だ。
25日のロッテ戦(ZOZOマリン)。初回に一挙5点を挙げた直後の守りだった。2死走者なしで山口の放った打球はライナー性で左中間を襲った。中堅に入った周東は背走しながら、最後はジャンピングキャッチ。「すげえ伸びてきたんで、焦りました」。主導権をがっちりと握るスーパープレーを見せた背番号23は、いたずらっぽく笑った。
パ・リーグの外野手部門で2年連続のゴールデン・グラブ賞を獲得している周東は、今季もチームを救う攻守を幾度となく見せてきた。今や名手として知られる30歳だが、去年までのプロ8年間で一度も達成したことがない記録がある。周東佑京が狙う「ゼロ」とはーー。
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この先で分かる3つのこと
周東がプロ8年で一度も達成していない『ゼロ』の記録とは
大西コーチが『比べ物にならない』と語る周東の守備力
記録より大切にする胸に秘めた『守備へのこだわり』
(鍵かけ)
「ここまではたまたまです(笑)。外野手は送球エラーが一番多いので。そこは最後まで注意しながらやっていきたい。『結果的にゼロで終わればいいかな』という感じですかね。」
あくまで控えめながらも、周東の目が虎視眈々と捉えているのは「シーズン失策0」だ。自身初のゴールデン・グラブ賞に輝いた2024年は8月下旬の試合で失策を喫し、そのままシーズン失策は「1」に終わった。当時、「欲を言えばエラーはゼロで終わりたかった」と口にするほど、一つのミスを悔しがった。2年連続受賞となった昨季は4失策。ノーエラーでのシーズン完走は大きな目標の一つだ。
周東が残している数字以上の守備力を強調したのが大西崇之外野守備走塁兼作戦コーチだ。
大西コーチが明かす凄み「常に積極的にいった結果」
「失策って攻撃的にいった結果として起きるものと、そうじゃないものがあるよね。当然、失策がゼロに近ければ近いほどいいんだけど、そこにこだわりすぎて消極的になるのは良くない。彼は常に積極的にいってのノーエラーなので。もう彼が守ってると『あいつが取れへんかったらしょうがない』というレベルですよ」
そう語る大西コーチ自身も現役時代は主に外野手とプレーしながら、わずか失策8個という名手だった。それでも、周東の守備について「比べ物にならないくらいすごいよ」と断言する。「きょうのライナーだって簡単に捕っているように見えるけど、めちゃくちゃ打球が伸びてくるからね。難しい打球よ」。どこか誇らしげに背番号23の守備をたたえた。
周東自身も当然、記録のみに目がとらわれることはない。「出来ればゼロでいきたいなと思いますけど、あまり意識しすぎても。やっぱり捕れる打球を追わなくなったりするのは嫌なので」。ゼロを守り抜くことよりも、全力プレーを貫き通すことを誓う。
ホークスの大きな強みとなっている周東の守備力。リーグ3連覇へ着実に歩みを進める中、残り30試合で“隠れた偉業”が生まれるのか。周東佑京のワンプレーにも注目してもらいたい。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)