大関が5回2失点で1か月ぶりの3勝目
「海野を信じて投げました」。大関友久投手が11日の楽天戦(みずほPayPayドーム)に先発し、5回112球を投げて2失点。粘りの投球で約1か月半ぶりとなる今季3勝目を挙げた。この日も海野隆司捕手とのバッテリー。試合の流れを大きく左右した場面で、2人は大胆な勝負に打って出た――。
初回に打線が一挙7点を奪い、大量援護を受ける展開となった。大関は2回にマッカスカーにソロ、3回には黒川に適時二塁打を許して2点を失ったが、最大の山場となったのはその直後に迎えた3回の無死一、二塁の場面だった。打席には前日の試合を含めて2試合で4本塁打を放っているマッカスカーを迎えた。
直前にはマウンドにナインの輪ができ、バッテリーは言葉を交わした。結果は見逃し三振。その後のピンチも無失点で切り抜けた。「僕はちょっと迷っていたんですけど……」。一打で試合の空気が大きく変わりかねない場面。試合後に振り返った大関が口にしたのは、相棒への信頼と感謝の言葉だった。
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この先で分かる3つのこと
大関の迷いを消し去った海野の「大胆なリード」とは
絶好調のマッカスカーを翻弄した「勝負の5球」の全貌
緊迫の場面で海野捕手が光らせた「冷静な観察眼」とは
「1打席目にあれだけ完璧に打たれたので。攻め方を変えるというか、そういう部分はありました。でも僕はちょっと迷っていたんですけど、あの場面は海野が上手くリードしてくれたので。自分もそれを信じて投げられたのが、良かったのかなと思います」
2回の第1打席は、甘く入ったフォークをバックスクリーン付近まで運ばれる完璧な一発を許した。しかし、この打席では普段は多投しないカーブを初球から3球連続で選択。2球目のカーブを左翼ポール付近へ運ばれ、ヒヤッとする瞬間もあったが、海野の大胆な配球を信じた。
「怖いというよりはそういう攻め方をするしかないくらい(マッカスカーの)状態がいいように感じたので。極端に言うと、そうやって(同じ球を)続ける必要があるなと。何もしないで打たれるよりは、そういう違った攻め方をしたのが良かったのかなと思います」
追い込んだ後はインコース高めの145キロ直球を見せ、最後は目一杯腕を振り、外角低め146キロの直球で見逃し三振を奪った。勝負どころで海野も冷静だった。「見たままの感じです。どんな感じで入ってくるかを常に見ながらなので。今日に関しては色々と見たかったし、変えた部分もありました」。冷静な観察と大胆な配球。狙いが見事にはまり、バッテリーは4、5回も無失点で切り抜けた。
口にした手応え「次につながる登板」
大関は2軍で過ごした約1か月の間に、体重を85キロから89キロまで増やして再調整を進めてきた。復帰登板では今季最速148キロを計測するなど、直球の力強さも戻りつつある。「まだ課題もありますけど、ゲームを作ったところは評価でした」と小久保裕紀監督も及第点を与えた。左腕自身も確かな手応えを感じていた。
「登板も久しぶりだったので、不安もありましたけど。今日は本当に自分の投球に集中できるくらい打線に点を取ってもらって、楽にしてもらいました。手応えを掴めた部分もありますし、いきなりすべてが良くなることはないと思うんですけど、1つずつ良くしていくしかないかなと思うので」
3回は勝敗の行方を左右する局面だったが、ピンチを無失点で切り抜けたことに大きな価値を感じた。「次につながる登板になったかなと思います」。淡々と語った言葉には、確かな前進への実感がにじんでいた。昨季、自身初となる最高勝率のタイトルを獲得した男が踏み出した復調への一歩。次回登板にも期待が膨らむ。
(森大樹 / Daiki Mori)