5日のロッテ戦では近藤が2本塁打6打点と大暴れ
将来にわたって語り継がれるライバル関係になるかもしれない。パ・リーグの打撃タイトルを激しく争う栗原陵矢内野手と近藤健介外野手。現在首位を走るホークスを力強くけん引する「令和のKKコンビ」の間にあるのは、“特別な意識”だ。
7-2で勝利した5日のロッテ戦(みずほPayPayドーム)。この日の主役は背番号3だった。初回に19号先制3ランを右翼席に運ぶと、5回にも再び右翼席に20号3ランを叩き込んだ。ともに打った瞬間にスタンドインを確信するほどの完璧なアーチだった。一方で栗原も負けてはいない。8回に意地の24号ソロを放ち、近藤との本塁打数を4本差に広げて見せた。
チーム内でのハイレベルなタイトル争いは、ホークスの大きな原動力となっている。小久保裕紀監督もかつてのライバル・松中信彦氏を例に挙げつつ、「ライバル心をメラメラと燃やして、2人が競い合いながらやってくれればいいんじゃないですかね」と競争を歓迎した。シーズンも折り返しを迎えた中で、2人の本音に迫った。
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この先で分かる3つのこと
栗原がコーチに直訴した「打順変更」の理由
近藤が明かす、栗原が見せた「ガッツポーズ」
「追いつかれたくない」二人が抱く意外なライバル心
「あの状態で近藤さんにホームランを打たれると、どうしようもできないので。長谷川(勇也)コーチに『打順を変えてください』って言いました。『僕が先に打たせてください』と言ったんですけど、それはダメでしたね」
栗原が隠さないライバル意識「追いつかれないように」
笑みを浮かべながら強烈なライバル意識を口にしたのは栗原だった。この日6打点を挙げた近藤に打点部門ではトップを譲ったが、本塁打数は4差と優位を保っている。「(シーズンは)半分くらいあるので。まだまだ何とも言えないですけど、追いつかれないようにしていきたいなと思います」。プロ12年目にして自身初の打撃タイトルが見えているだけに、鼻息は荒い。
一方で、近藤はあくまで余裕を漂わせている。「チーム内でタイトル争いができているのはいいと思いますし、本当に僕らが打たないと試合にも勝てないと思うので。そういう中で争えているというのは、いいことなんじゃないですかね」。2023年には本塁打と打点の2冠、翌2024年には首位打者に輝いた32歳は、タイトル争いの戦い方を熟知している。
普段から数字面への関心をあまり示さない近藤だが、栗原の話題になると表情が明るくなる。「ホームラン(栗原の24号ソロ)を打った時に、クリは相当喜んでいましたね。僕に向かって、ガッツポーズしていました」。これまで何度もアドバイスを送ってきた“後輩”が感情を隠すことなく競争を楽しんでいる様子に、目じりを下げていた。
栗原自身、球界最強打者と称される近藤の実力は当然わかっている。「とてつもなく、すごいバッターです。ネクスト(バッターズサークル)で見ていても、すごいなと思うところがたくさんあるので。追いつけるように、何か1つ勝てるようにとは思っています」。あくまで敬意を抱きつつも、高き壁に立ち向かっている。
これまでにも数多くのライバル関係が球界を彩ってきた。栗原と近藤の「KKコンビ」は、球史に語り継がれるライバルとなるのか。激しさを増すペナントレースと同様に、日々刻々と変わる数字からも目が離せない。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)