前田悠伍の援護率「7.85」をガチ考察 野手が語る”愛され気質”…栗原陵矢はニヤリ「言うといてください」

  • 記者:長濱幸治
    2026.07.02
  • 1軍
開幕から無傷の6勝目を挙げた前田悠伍【写真:栗木一考】
開幕から無傷の6勝目を挙げた前田悠伍【写真:栗木一考】

高卒3年目で開幕6連勝は大谷翔平以来

 白く染まった本拠地を20歳左腕が沸かせた。首位攻防戦となった1日の西武戦。みずほPayPayドームでは今年初開催となった「鷹祭 SUMMER BOOST 2026」は、文字通り“お祭り騒ぎ”の試合展開だった。ホークス打線に4本のアーチが飛び出すなど、11得点の快勝。「打」に目が移りがちだが、主役は先発で無傷の6勝目を挙げた3年目の前田悠伍投手だった。

 初回を危なげなく三者凡退に仕留めると、直後に正木智也外野手と栗原陵矢内野手の本塁打で3点を先制。3回まで1人の走者も出さない投球で試合の流れを引き寄せた。4回以降は走者を背負いながらも、粘りの投球でホームを踏ませることなく、7回を3安打5奪三振無失点と快投。開幕から8登板で6勝負けなしとなり、防御率1.84と堂々たる数字を残している。
 
 今季の前田悠を語るうえで、見逃せないのが打線の援護だ。自身が降板するまでに味方打線が援護してくれた得点を1試合(9イニング)で換算した「援護率」は驚異の7.85をマーク。完投した場合に味方打線が8点近くも取ってくれる計算だ。なぜ左腕は打線に勢いを与えるのか――。そこには明確な答えがあった。栗原、そして海野隆司捕手の証言に迫る。

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この先で分かる3つのこと

驚異の援護率7.85を支えるバッテリーの「特別な工夫」
栗原も驚く、前田悠が打線に与える「リズムの正体」
大谷翔平以来の快挙も…指揮官が指摘した「伸びしろ」

 「やっぱりテンポ良く投げてくれるので。リズムが良くなっていくのはあると思います。攻撃に入る流れという面で、大事なことかなと思いますね」

栗原&海野が断言した“野球界の格言”

 そう明かしたのは栗原だ。投手のテンポが良ければ、味方打線にも好影響を与えるという野球界の“格言”について、栗原は「あると思いますよ」とうなずく。毎試合のように大量援護が生まれているのは偶然ではないという。

 栗原が続けて口にしたのは、左腕が達成した“偉業”についてだった。「すごいですよね。大谷翔平さん以来でしょう?」。高卒3年目以内の投手で開幕6連勝以上を記録したのは、2015年の大谷翔平投手(当時日本ハム)以来となる快挙だった。その事実を栗原が知っていたのは、前田悠がそれだけのパフォーマンスを続けている証だ。

 6月6日のDeNA戦(横浜)から4登板連続で先発マスクをかぶっている海野も20歳の進化を明かした。「テンポの良さが打線にいいリズムを与えているのは間違いないですね」。そう断言したうえで、「バッテリーとして、いい流れを生めるように意識はしています。あいつに対してはちょっと早めに返球するようにしていますね」。バッテリーの工夫が援護率につながっていた。

 試合後、小久保裕紀監督は快投を続ける前田悠をこう評価した。「セット(ポジション)に課題があるのは、今日もはっきり見えていましたし、5回のフォアボールも含めて隙は見えたので。まだ伸びしろがあるなと思いました」。栗原も「守りやすいですけど、『ちょっとサードゴロが多すぎだな』って言うといてください」と冗談を飛ばしながら笑った。さらなる進化を期待させる力が20歳にはある。現状の苦しい先発陣を支えているのは、間違いなく前田悠伍だ。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)