庄子が大切する「価値」
成長を続ける23歳に、また新たな目標ができた――。庄子雄大内野手は6月30日の西武戦(東京ドーム)に「9番・遊撃」で先発出場。相手の失策で出塁した3回、四球を選んだ6回と、いずれも迷うことなくスタートを切り、1試合2盗塁をマークした。9回には左前打も放った背番号25に対し、小久保裕紀監督は「四球を選んで、スチールも決めて。良かったです」と高く評価。見事にスタメン起用に応えてみせた。
開幕当初こそ守備固め、代走要員だった庄子だが、5月5日の西武戦(ベルーナドーム)で今季初先発を果たすと、一気に遊撃のレギュラー争いに加わった。昨年12月の契約更改では2026年シーズンの目標に「スタメン20試合出場」を掲げていたが、すでに31試合で先発出場。5月31日の広島戦(みずほPayPayドーム)で早くも目標を達成した。その試合後、次の目標を尋ねると「10盗塁」と力強く言い切っていた。
そしてこの日は2盗塁を決めて、シーズン通算で11個目に到達した。約1か月で2つ目の目標もクリア。1つずつ数字を重ねる韋駄天に「次」を尋ねると、迷うことなく返ってきたのはある”数字”だった。スタメン出場が増えた今季、変わらず大切にしている「自分の価値」があった――。
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この先で分かる3つのこと
「価値がなくなる」庄子がそこまで盗塁にこだわる深い理由
好スタートを切れた理由!本多コーチと映像で確認したこと
リーグ独走の先輩・周東佑京に対し、現在の庄子が抱く本音
「早い段階で目標を達成できたのはすごく嬉しいし、自信にも繋がります。でも自分はもっと走っていきたいので。次はもちろん20個です。なので、まずは次の12個目ですね」
庄子が新たに掲げたのは、次なる目標だった。試合前に連日、本多雄一内野守備走塁兼作戦コーチと一塁ベース付近でスタート練習を重ね、技術を磨いてきた。「今は気持ちの面でもすごく自信を持ってスタートを切れているので、いい方向にいっているのかなと思います」。その上で、盗塁にこだわる理由をこう語った。
「走れないと使ってもらえないわけじゃないかもしれないですけど、やっぱり走れないと僕の選手としての価値がなくなってしまうと思うので。盗塁にはこだわって、どんどん増やしていきたいなという思いはあります」
この日も、平良を相手に好スタートを切った。「牽制がそこまで速くないかなと思ったので。ピッチャーが動く前に僕が動けるようなイメージでいきました」。試合前には映像を見ながら本多コーチと確認を重ね、その準備が2盗塁という結果につながった。出場した直近の2試合で計4盗塁と、積極的な走塁意識が明らかに結果となって現れている。
変わらない姿と貫く言葉「また明日の1試合、それだけ」
5月10日のロッテ戦(みずほPayPayドーム)から25試合連続でスタメン出場を続け、一時は定位置をつかみかけた。しかし、疲労も少しずつ蓄積し、交流戦終盤には打撃の状態を落として先発を外れる日もあった。「でも、1個1個の積み重ねだと思うので。今日を全力で過ごして、また明日の1試合。本当にそれだけなのかなと思います」。ベンチスタートが増えた現状にも、淡々と言葉を口にする。
今季、スタメン出場したすべての試合において「1打席1打席、途中出場の気持ちで」という姿勢は変わらなかった。自分を客観的に見つめ、一歩ずつ積み重ねていく。それが庄子の強さでもある。これが今の目標設定にも間違いなくつながっている。
現在、庄子はリーグ3位の11盗塁。トップを走るのは16盗塁を記録する先輩・周東佑京外野手だ。「本当に実績を積み重ねていって、やっとそこに並ぶような選手になれる可能性があると思うので」。あくまで見据えるのは目の前の一歩。20盗塁も、その先にある新たな目標も、1つずつ積み重ねた先にある。庄子は今日も、自らの価値を高め続けているーー。
(森大樹 / Daiki Mori)