正木智也の188.5キロ弾は「無理に等しい」 近藤健介も興奮した“世界最速弾”…プロが語る「打球速度は正義」

  • 記者:長濱幸治
    2026.06.25
  • 1軍
本塁打を放った正木智也【写真:栗木一考】
本塁打を放った正木智也【写真:栗木一考】

右打者に限れば“世界一”…正木の豪快弾を徹底分析

“世界”にも引けを取らない、衝撃的な一発だった。24日のオリックス戦(みずほPayPayドーム)。初回、先頭打者の正木智也外野手が田嶋のカットボールを捉えた打球は、瞬く間に左翼ポール際に着弾した。キャリアハイを更新した8号ソロの打球速度は驚異の188.5キロ。ホークスベンチも衝撃の打球にお祭り騒ぎだった。

 打球速度は今季のNPBでトップの数字だっただけでなく、MLBを含めてもオニール・クルーズ(パイレーツ)の191.5キロ、ヨルダン・アルバレス(アストロズ)の189.6キロに次いで、3位にランクイン。上位2人は左打者のため、右打者に限っては「今季世界最速」の打球だった。

「そんなに出ているとは思わなくて、ベンチに戻ってきたらクリ(栗原陵矢)さんに言われて、びっくりしました」。正木自身も驚いた一発は、どれほどすごいのか。「無理に等しいです」「打球速度は正義」――。ホークスが誇る2人の主砲、そして“データのプロ”が語った異次元のアーチに迫った。

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この先で分かる3つのこと

柳田悠岐も驚愕した正木の衝撃弾「えぐいっす」
データのプロが明かす進化に隠された“真相”
“世界最速”を叩き出した打球の凄みと止まらぬ進化

「むちゃくちゃすごいですよ。無理に等しいです」

 興奮気味に言葉を口にしたのは近藤健介外野手だった。正木が「今も打撃で一番参考にしているのは近藤さんです。考え方や技術面について本当に学んでます」と憧れる“現役最強打者”も驚きを隠せなかった。その事実が、すごみを際立たせる。

正木智也を笑顔で迎える近藤健介【写真:栗木一考】
正木智也を笑顔で迎える近藤健介【写真:栗木一考】

37歳で180キロをマークする柳田も驚嘆「えぐいっす」

 通算276本塁打を誇る柳田悠岐外野手も「すごいっすね」と目を丸くした。37歳になった今季も打球速度180キロ超えの打球を放っているが、自身が188キロを叩き出したことがあるかについては「知らないっす!」と即答。そのうえで「でもすごいっす、えぐいっす!」と後輩の放った打球を柳田らしく称賛していた。

「打球速度は“正義”ですよ。ピッチャーの球速もそうですけど、スピードは大事ですね。速ければ速いほどいいので。188.5キロという数字は年間に1回出るか出ないかくらいの打球速度ですね。純粋に強く振るというのが、どんどん進化していった過程だとは思います」

 データのプロ、吾郷伸之チーフアナリストはそう断言する。現代の野球界では打球速度とともにスイングスピードも重視されるが、この2つはそのままイコールというわけではないという。

「スイングスピードはもちろん大事ですけど、結局はミートスポットというか、ちゃんと芯に捉えないと打球というのは飛ばないので。選手によってスイングスピードは速いけど、打球が飛ばない選手もいるので。逆にコンちゃん(近藤)はめちゃくちゃスイングスピードが速いかといったらそうでもないけど、でも正確性で(打球速度を)補っている。正木の打球でいえば188.5キロはもちろん優秀なんですけど、何がすごいかといえば角度がついていること。2つが伴っているのがあのホームランなので。つまり技術が必要ということですね」

 昨年4月に左肩を亜脱臼し、手術を受けた正木。リハビリ期間は重点的にウエートトレーニングに取り組み、打球速度は7キロアップしたという。進化を続ける26歳は今後、我々をどれだけ驚かせてくれるのだろうか。楽しみは尽きない。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)