正木智也を救っていた周東佑京の助言 試合前のワンシーンに隠されていた“真相”…「気をつけろよ」

  • 記者:長濱幸治
    2026.06.21
  • 1軍
ベンチ前で出迎える周東佑京(右)と正木智也【写真:井上学】
ベンチ前で出迎える周東佑京(右)と正木智也【写真:井上学】

試合は欠場も…ベンチ最前で声援を送る30歳

 試合には出られなくても、ホークスに欠かすことができない存在であることを再認識させられた。12日のヤクルト戦(みずほPayPayドーム)で死球を受けた影響で、右ふくらはぎを痛めている周東佑京外野手。試合前練習での何気ない”ワンシーン”が、正木智也外野手を助けていた。

 20日の日本ハム戦(エスコンフィールド)。中堅に入ったのが正木だった。1軍でセンターを守るのは、実に3年ぶり。自身の負傷で空いたポジションに就いた後輩に授けたのは、周東らしいアドバイスだった。

 試合中もイニング間には守備位置から戻ってくるチームメートをいち早く出迎え、味方の攻撃中にはベンチの最前に立って声援を送る。「当たり前のことでしょう」。こともなげに語る周東に深い感謝を口にしたのが正木だった。

会員になると続きをご覧いただけます

この先で分かる3つのこと

周東が後輩に授けた、エスコンデーゲーム特有の「対策」
試合中はベンチ最前で応援…周東の姿に見える献身性
「当たり前でしょう」…こともなげに振り返った周東の胸中

「エスコンでのデーゲームは、キャッチャーの後ろにある窓から光が入ってくるので、『眩しいから気をつけろよ』と教えてもらいました」

7号ソロを放った正木智也とハイタッチするナイン【写真:井上学】
7号ソロを放った正木智也とハイタッチするナイン【写真:井上学】

試合後は言葉少な「やれることをやっているだけ」

 1年に十数試合しかプレーする機会のないビジターのデーゲーム。そこで起こりうる“危険”を未然に防ぐ「金言」を送ることができたのも、エスコンフィールドで何度も中堅を守ってきた周東だからこそ。的確な助言は、常にさまざまなシチュエーションを想定しているから出てくるものだ。

 昨季まで2年連続でゴールデン・グラブ賞を受賞した周東に背中を押された正木は、気負うことなくグラウンドに立った。「ちょっと緊張しましたけど、自分の届く範囲で捕れればいいかなと思いながら頑張りました」。5回の裏からは一塁に回るなど中堅での守備機会はそこまで多くはなかったが、守備面での負担が軽くなったことが、7号ソロを含む3安打を放った打撃面にも好影響を与えた可能性は高い。

 周東自身は19日の同戦で代打出場したが、患部の状態はまだ万全ではない。正木に対して送った助言についても「こんな感じで動けばいいからとか、それくらいですよ」と振り返る。「試合に出られない以上、やれることをやっているだけです」。現状へのもどかしさもあるのだろう。試合後の口数も決して多くはなかったが、それでも正木の表情を見れば、周東の存在の大きさは十分に伝わってきた。

 リーグ戦が再開し、首位西武とは3.5ゲーム差、4位の日本ハムまで2ゲーム差と混戦は今後も続くだろう。周東の1日も早い完全復帰が待たれるが、全力プレーができなくても仲間を支えている30歳。その存在は間違いなくチームの力となっている。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)