近藤健介らしさが詰まった“2分間” 通算3度目の対戦でなぜ初球を捉えられた?…明かした「天才の思考」

  • 記者:長濱幸治
    2026.06.20
  • 1軍
14号3ランを放った近藤健介【写真:井上学】
14号3ランを放った近藤健介【写真:井上学】

3安打2本塁打7打点の大暴れも謙虚な口ぶり

 豪快な一発は、決して偶然に生まれたわけではなかった。近藤健介外野手が5回に放った14号3ラン。代わりばなの相手投手の初球を捉えた瞬間からさかのぼること2分。わずかな時間に“答え”が隠されていた。

 10-7で打ち勝った20日の日本ハム戦(エスコンフィールド)。主役はなんといっても3安打2本塁打7打点の活躍を見せた近藤だった。5回の3ランに続き、6回にも2打席連発となる15号3ランを左中間席に叩き込んだ。「前のバッターがしっかり塁に出てくれたおかげかなと思います」。謙虚な口ぶりとは対照的な暴れっぷりだった。

 試合の主導権を握った1本目のアーチ。5回無死一、二塁となった場面で相手ベンチは投手を交代した。ネクストバッターズサークルにいた近藤は身をひるがえしてベンチに戻ると、栗原陵矢内野手とともにパソコンを覗き込んだ。その行動に隠されていたのは、近藤を天才打者たらしめる思考だった。

会員になると続きをご覧いただけます

この先で分かる3つのこと

ベンチで栗原と見た画面、その2分間の正体
天才近藤がアナリストに求める究極のデータ
初球を完璧に仕留めた「天才の脳内思考」

「相手投手の真っすぐのスピードと変化球のスピード。そこを確認していましたね」

栗原陵矢と共にデータを確認する近藤健介(左)【写真:井上学】
栗原陵矢と共にデータを確認する近藤健介(左)【写真:井上学】

菊地とは通算対戦3度目も…初球をとらえた凄み

 マウンドには日本ハムの2番手、菊地大稀投手が上がっていた。今季の対戦はわずか1度で、結果は四球。菊地が巨人に在籍していた2023年も合わせて、打席で対峙したのは今回が3度目だった。ほぼ初見といってもいい状況で、初球の浮いたフォークを完璧に捉えた近藤。その裏側には、球団が用意したデータの存在があった。

「待っていたというよりは反応ですね。甘い球が来たら初球から行こうというのは意識していました」。よく耳にするフレーズではあるが、とっさの対応を可能にしたのは、直前に入れていたフォークの“スピード感”があったから。球界屈指といわれる近藤の凄みが現れた一発だった。

 普段はあまり口にすることはないが、近藤が球団のアナリストに求めるデータは大量で、細かなものばかりだ。天性のバットコントロールがありながらも、グラウンドでは見せない努力こそが、ここまでの実績を作り上げたのは間違いない。

 本塁打、打点の2部門で現在リーグトップに立つ栗原に4本差、3打点差に迫るも、「そこは全然意識してないですね」とさらり。受け答えに感じるのは、打撃3部門すべてのタイトルを獲得したことのある強者の余裕だ。首位西武を猛追するためには、やはり近藤健介のバットは欠かせない。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)