杉山一樹が口にした「交流戦はノーカンなので」…守護神が抱く“本音”「今は何を変えたかは言わない」

  • 記者:長濱幸治
    2026.06.19
  • 1軍
海野隆司(右)と勝利の喜びを分かち合う杉山一樹【写真:栗木一考】
海野隆司(右)と勝利の喜びを分かち合う杉山一樹【写真:栗木一考】

左手骨折から復帰後は13試合7セーブ、防御率0.00

 14勝4敗の成績だった交流戦を終え、19日からリーグ戦が再開する。3連覇に向けて、この男の存在は欠かせない。圧倒的な安定感を誇るリリーフ陣の“大トリ”を務める、昨季のセーブ王・杉山一樹投手だ。交流戦でもセ・リーグ相手に圧倒的な投球を披露したが、口にしたのは意外な言葉だった。「交流戦は“ノーカン”なので」――。

 左手骨折からの復帰後は目を見張るパフォーマンスを続けている。離脱前は7試合に登板して0勝1敗4セーブ、防御率9.00と不安定さが目立ったが、5月6日に1軍復帰してからは登板13試合で7セーブ、防御率は驚異の0.00。12回2/3を投げて許した安打は3本のみで、25三振を奪うなど、まるで別人のような投球が続いている。

 チームはここまで63試合を消化し、37勝26敗。首位の西武とは3.5ゲーム差の2位につけている。2026年シーズンの折り返しをまもなく迎える中、守護神を任されている28歳は何を思うのか。口にしたのは確かな手ごたえ、そして“責任感”だった。

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「僕の中で交流戦はノーカンなので。セ・リーグとは年に1度しか対戦しないですし、やっぱりデータは圧倒的に少ない。ピッチャーが有利だと思っているし、抑えたからといってあまり参考にはならないですね」

結果で示す覚悟「姿で示していくしかない」

 杉山は結果を冷静に見つめ、表情を崩さなかった。それは、交流戦前に覚えた感覚が今も残っているからだ。「パ・リーグは去年のデータをしっかり把握して、狙い球を絞っている。それはもちろん感じていましたね」。昨季は31セーブを挙げ、自身初のタイトルを獲得。各球団の警戒が高まっているのは当然だ。

 4月11日の日本ハム戦(エスコンフィールド)。自らのふがいない投球に怒りを鎮められず、ベンチを殴打した。自分勝手な行動によって、チームを離れたことは事実だ。「申し訳ないという気持ちだけです。信頼をもう一度取り戻すには、これからの姿で示していくしかないと思う」。そう口にしていた通り、復帰直後はどんな展開でも黙々と腕を振り続けてきた。「行けと言われれば『ハイ』しかないですから」。その言葉に偽りはない。

 1軍に戻ってきてからは直球が150キロ台後半をマークするなど、目に見えて球速が上がっている。「手ごたえはありますね」と口にしつつも、右腕はその理由を煙に巻いた。「メカニックの部分を2軍にいた間に色々と試して。そこは確信に変わるまで、何を変えたのかは言わないようにしています」。あえて口を閉ざし、自らの役目を全うしようとしている。

「ここからが本当の戦いだと思います。(ロベルト・)オスナもめちゃくちゃ状態がいいですし、松ちゃん(松本裕樹)もそう。津森宥紀投手もいいですから。みんなに負けないよう、やっていくだけです」。守護神の望みは、チームの勝利だけ。杉山一樹がマウンドにいる限り、ホークスの勝利は揺るがない。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)