“期限なし再調整”の大関友久 決断を後押しした監督室での言葉「自分もそう思っていました」

  • 記者:長濱幸治
    2026.06.13
  • 2軍
筑後のファーム施設で調整する大関友久【写真:長濱幸治】
筑後のファーム施設で調整する大関友久【写真:長濱幸治】

左腕が筑後で誓ったこと「一から作り直したい」

 先発ローテの“柱”として期待された左腕は今、筑後で自らと向き合っている。その表情に焦燥感はない。「もちろんゆっくりするわけじゃないですけど、しっかり一から作り直したいなと思います」。7日に出場選手登録を抹消された大関友久投手は、落ち着いたトーンで言葉を口にした。

 昨年中から開幕ローテ入りの内定を告げられていた左腕だが、ここまで8試合に登板して2勝4敗、防御率5.55と、らしくない投球が続いている。直近の登板となった5日のDeNA戦(横浜)では10安打8失点と打ち込まれ、登録抹消が決まった。

 本来の姿を取り戻せない左腕に対して、首脳陣が下したのは「期限なしの再調整」だった。抹消を告げられた監督室。小久保裕紀監督が左腕に告げたのは、その事実だけではなかった。「自分もそう思っていました」。左腕が明かした指揮官とのやり取りとは――。

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この先で分かる3つのこと

小久保監督が授けた「現役時代の技術論」とは
長年培った感覚を捨てて挑む、大関の新たな投球スタイル
倉野コーチが託した言葉と、再調整に挑む左腕の覚悟

「監督が時間を作ってくださって、結構長く話をさせてもらいました。監督が現役時代にバッティングをどう考えられていたのか。2種類の打ち方を使い分けていたという話をされていたので、『僕も今同じようなことを感じていて、やってみようと思います』という話をしたり……。自分にとって大きなアドバイスをいただきました」

大関友久【写真:長濱幸治】
大関友久【写真:長濱幸治】

3、4年培ってきた感覚「いったん外してみる」

 選手にとって“降格”を告げられる瞬間は悔しいはず。それでも、大関と指揮官は「その先」を語り合った。大関が共感したのは“技術の使い分け”。プロ入り後は「あまり経験がない」というほど打ち込まれた左腕が決断したのは、新たな自分への変身だった。 

「ここ3、4年は身体の1点にだけ集中してピッチングしていたんです。左肩で溜め、左肩で定め、左肩で引っ張りとか。なかなかそういう人っていないと思いますし、そこは自分の一つの個性でもあったんですけど、いったん外してやってみようかなと。球速が年々落ちてしまっているのも、それが関係している可能性があると感じたので」

 身体の1点に意識を集中させるスタイルが、これまで安定した成績を残してきた左腕の土台になっていたことは間違いない。昨季は自身初のタイトルとなる最高勝率にも輝いた左腕。長年培ってきた感覚を変えるという勇気のいる決断を後押ししてくれたのが指揮官の言葉だった。

 倉野信次投手チーフコーチ兼ヘッドコーディネーター(投手)からは「前回はちょっと状態が上向きになったところで上がるタイミングになったけど、今回はちゃんとファームで自分のパフォーマンスを確立して、万全の状態になった時に投げられるように」と言葉をかけられたという大関。中長期的な視点で確固たるスタイルを築いていくつもりだ。

 13日のファーム・リーグ阪神戦(タマスタ筑後)に先発する左腕。「急がないことはないですけど、しっかりと新しい自分を作れるように頑張ります」。大関の覚悟と首脳陣の判断が、秋には“実り”として現れるに違いない。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)

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