大津がプロ初完封、全9登板で海野がマスク
バッテリーの息が合った118球の熱投だった。「本当に目標にしていたところだったので、嬉しいです」。大津亮介投手が2日、中日との交流戦(バンテリンドーム)に先発。9回1安打1四球無失点の投球を見せ、プロ入り初完投・初完封で今季6勝目を挙げた。
7回1死まで1人の走者も許さないパーフェクト投球。一時は大偉業への期待も高まる快投だった。今季で4年目を迎え、開幕から安定感抜群の投球を続ける右腕。この試合を終えた時点で防御率1.14、6勝と共にリーグ1位で、エース級の役割を果たしている。
この好投を支えているのが、大津の今季全9登板でマスクを被る海野隆司捕手だ。この日もバッテリーの“阿吽の呼吸”が際立った。2度ランナーを出した場面では、いずれも海野が即座にマウンドへ。試合後に明かしたやり取りの内容とは――。2人の意思統一が完封勝利への大きな鍵となった。
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この先で分かる3つのこと
中日打線の狙いを察知し、後半に変えた配球の妙とは
大偉業が途切れた直後、二人がマウンドで交わした言葉
9回2死の最終関門、海野が掛けた“いつもの言葉”
「序盤の方はバッターが“真っチェ”を待っている感じがして、『真っすぐで押していこう』となって。後半からはそれを逆に変えて、変化球を軸にできたかなと思います」
大津がそう振り返る通り、序盤は力強い直球で打者を押し込み、あえてチェンジアップの割合を減らした。逆に試合後半はチェンジアップを軸に打者のタイミングを外した。7回1死から初安打を許し、無安打投球が途切れた直後には海野がゆっくりとマウンドへ向かった。
「別に初ヒットに対して何か言ったわけじゃなくて、次のバッターに対する抑え方を伝えに行っただけです。(無安打無四球は)そんなに気にしていなかったですね」と海野。初めての走者を背負い、流れが変わりかねない場面でも、2人の間で冷静に確認作業を行った。
そして9回2死、この日初めての四球を与え、打席に初安打を許した田中を迎えた場面でも海野はマウンドへ走った。「(1回目と)同じで、攻め方の確認です。いつも通りの言葉をかけました」。目の前の最後のアウトを打ち取ることだけに集中した。ひと呼吸置いて考えを一つにすることができた。
6試合ぶりマスクでも変わらなかった姿勢
海野自身、山本祐大捕手がトレードで加入して以降、出場機会を減らしている。6試合ぶりのスタメンマスクとなったが、それでもやるべきことは変わらなかった。「今は大津と組んでいますけど、あいつが勝てるようにという思いだけです。とにかく『ピッチャーのために頑張る』というのはずっとやってきていることなので」。いつもと変わらぬ表情で淡々と振り返った。
2度の声掛けも、状況を冷静に判断してピッチャーに駆け寄った行動だった。「しっかり周りを見て状況を判断して、それをピッチャーに伝えることが大事だと思っています」と、目の前の1試合に集中する。投手のため、チームのために最善の準備を怠らない。その姿勢が大津のプロ初完封という最高の結果に導いたのかもしれない。
(森大樹 / Daiki Mori)