開幕遊撃も…5月に入り減少するスタメン
金字塔を打ち立てたベテランは今、何を思うのか――。「僕は何でもいいので。出たところ勝負ですから」。28日の巨人戦(東京ドーム)で逆転勝利に繋がる同点適時二塁打を放ったのは、3試合ぶりにスタメン出場した今宮健太内野手だった。
自ら「競争」と口にして臨んだ2026年シーズン。オープン戦では打率.316を記録し、開幕14年連続遊撃スタメンのプロ野球新記録を樹立した。しかし、5月に入ると月間打率は.148と苦しみの日々を送る34歳。ベンチを温める回数も増えているのが現状だ。
12日の西武戦(みずほPayPayドーム)以降の13試合で、今宮がスタメン出場したのは今季から挑戦している二塁での2試合のみ。その間、遊撃を守り続けているのは、自主トレをともにしてきた2年目の庄子雄大内野手だった。17年目を迎えたベテランが、今の心境をありのままに語った。
会員になると続きをご覧いただけます
この先で分かる3つのこと
今宮健太が明かすスタメン減への正直な思い
遊撃スタメンを奪った庄子へ、今宮が抱く「率直な本音」
苦笑いの裏にあった、打席の中でベテランを襲う葛藤
「オープン戦である程度の結果を残して、最初の方は使ってもらっていましたけど。その中で結果を出せなかったのは自分自身の責任なので。そこから庄子が結果を残した。それは本当にこの世界ではしょうがないので」
4月11日の日本ハム戦(エスコンフィールド)では左肩甲骨に死球を受けて亀裂骨折。それでも「問題ない」と出場を続け、4月は15試合で打率.306、1本塁打をマークした。しかし5月に入ると状態は下降し、1日からの楽天戦(みずほPayPayドーム)では3試合連続無安打。5月はここまでわずか4安打にとどまっている。
「自分もある程度の期間でしっかりと結果を残さないと『どうかな』というのは正直思っていたところだったので。今はこういうところにいますけど、その中でもなんとか『出たところ勝負』とは思っています」
庄子の姿に思うこと
昨シーズンは126試合に出場した野村勇内野手も、開幕から打撃の調子が上がらない。そんな中で14試合続けて遊撃でスタメン出場を続け、ポジションを勝ち取ろうとしているのが、自主トレを共にしてきた庄子だった。この試合でも、今宮の同点適時打の直後に勝ち越し適時打を放った23歳。今宮の目にはどう映っているのか――。
「自分も同じくらいの年齢の時から出場機会が増えてきて、レギュラーを勝ち取ったので。周りが結果を残していない中で、彼は結果を残している。今こうしてスタメンで出続けてることは、素晴らしいなと思います」
自身も川崎宗則氏という“高い壁”がある中で、負けない気持ちを持ち続けた。川崎氏が2012年にメジャー挑戦したことをきっかけに、高卒プロ4年目の2013年、22歳の時にポジションを掴み取った。同年から開幕遊撃を守り続け、14年連続開幕遊撃スタメンの日本記録という金字塔を打ち立てた。だが庄子を称える一方で、胸にある感情も隠さなかった。「負けたくない気持ちです。もちろん」。静かな闘争心を口にした。
7回の第4打席では、2死走者なしから左前打を放ちマルチ安打を記録した。「打ちたいと思いすぎるとダメなところもあるかもしれないですけど、そうなっちゃいますよね」。苦笑いを浮かべながら、打席内で抱える“本心”も明かした。
「その中でも1本出せるように。出たところ勝負です」。逆境の中でも、目の前の1打席に全てを懸ける。23歳の庄子にとっても、目の当たりにしている今宮健太の姿が大きな“財産”になることは間違いない。
(森大樹 / Daiki Mori)