周東佑京が感謝する王会長の一言 実感したプロの世界「舐めちゃダメ」…1年目に示された“生きる道”

  • 記者:長濱幸治
    2026.05.25
  • 1軍
背番号89の入ったユニホームでお立ち台に上がる周東佑京【写真:栗木一考】
背番号89の入ったユニホームでお立ち台に上がる周東佑京【写真:栗木一考】

「メモリアルデー」で値千金の3点三塁打をマーク

 プロで生きていく“礎”を作ってくれた王貞治球団会長のため、負けるわけにはいかなかった。「自分の基盤は、会長から言葉をかけていただいたおかげだと思っているので……」。そう明かしたのは、周東佑京外野手だった。

「OH SADAHARU LEGACY DAY」として行われた24日の日本ハム戦(みずほPayPayドーム)。初回から4点を失う苦しい展開を打破したのは、周東の一打だった。2回、正木智也外野手の押し出し四球で1点を返し、なお2死満塁の場面。相手先発・北山の直球を鋭くはじき返した打球は、ダイビングキャッチを試みた万波のグラブを避けるように右翼線へ落ちた。走者一掃となる3点三塁打に、背番号23は三塁ベース上で何度もガッツポーズを見せた。

「89の背番号を背負っているわけですし、なんとか良い試合をしたいと思っていたので。最後は勝ち切れてよかったです」。シーソーゲームを制し、試合後に周東は心地よさそうに汗をぬぐった。通算868本塁打を放った「世界の王」と、球界屈指のスピードスター。一見、接点はなさそうだが、周東が明かしたのは自らを救ってくれた王会長の言葉だった。

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この先で分かる3つのこと

周東の「打撃の基盤」を作った王会長の“金言”とは
周東が明かす「プロはゴロをヒットにしない」の真意
「すごい人」と感じるきっかけとなった両親との秘話

「僕や(DeNAに移籍した)三森(大貴)とかは特になんですけど。王会長から『しっかり振れる力があるんだから。逆方向に打ってばかりじゃなくて、練習ではホームランを打ちにいかないと』ということは、1年目からずっと言ってもらっていたので。その言葉があったからこそ、今は強く振ったり、その中で軽打したりっていうスタイルが出来上がったので。僕の基盤は会長のおかげだと思っています」

周東が明かしたプロの厳しさ「ヒットにはしてくれない」

 周東がまだ背番号121を付けていたころ。類まれなき走力は高く評価されていたが、非力な打撃が最大の課題だった。細い体に秘められていたパンチ力を見抜いた王会長の「金言」は、周東にプロの世界で生き残るための“道”を与えた。

「周りはよく『転がせ、転がせ』と言いますけど、プロの内野手はただのゴロをヒットにはしてくれない。舐めちゃダメですよ。そんな簡単な話じゃないんです」。周囲の声に振り回されることなく、ひたすらにスイング力を高めてきた。それが今の周東の打力と“地位”を築き上げた要因だ。

 昨季まで選手会長を務め、王会長との関わりも増えた周東だが、「すごいという言葉しか出ないです」と背筋を伸ばす。その偉大さを感じたきっかけは、両親とのやりとりにあったという。

「入団して、僕の両親が会長とお会いする機会もあったんですけど。『お前、そんな人の下でやるんだぞ』というのは、ずっと言われていたので。本当にそれくらいすごい人なんだなと思いますし、会長の一言一言はやっぱり重いというか……。すごく響くなというのはすごく感じます」

 チーム一丸でものにした“メモリアルデー”に「疲れました! しっかり休んで、また明後日から頑張りたいと思います」と笑いながら本音を語った周東。チームは最高の形で得意の交流戦に向かう。秋には再び王会長を笑顔にするために――。背番号23は先頭に立ってチームをけん引する。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)