柳田悠岐と周東佑京の共鳴する“本音” チームの苦境に「負けようと思ってやっていない」

  • 記者:長濱幸治
    2026.05.21
  • 1軍
20日のオリックス戦で本塁打を放った柳田悠岐【写真:栗木一考】
20日のオリックス戦で本塁打を放った柳田悠岐【写真:栗木一考】

3カード連続負け越しで首位と4.5ゲーム差

 打った瞬間に分かる豪快なアーチを放っても、柳田悠岐外野手にいつもの笑みはなかった。三塁ベースを回る際には唇をかみ、仲間の祝福にも表情は変わらぬまま。「まあ、負けていましたから」。チーム最年長の37歳は試合後、淡々と語るにとどめた。

 2年連続でパ・リーグを制している王者が、もがき苦しんでいる。20日のオリックス戦(京セラドーム)は序盤から失点を重ね、計8失点。6点ビハインドの9回に柳田が意地の一発を放ったが、反撃もそこまでだった。チームは3カード連続の負け越しで、首位オリックスと4.5ゲーム差の4位にとどまっている。

 今季の開幕ローテのうち、エースとして期待された上沢直之投手が右肘のコンディション不良で離脱。大関友久投手、カーター・スチュワート・ジュニア投手、徐若熙(シュー・ルオシー)投手はいずれも調子が上がらず、再調整中だ。誰が見ても苦しい現状をチームリーダーの2人はどう見ているのか――。柳田と周東佑京外野手が明かした思いは“共鳴”していた。

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この先で分かる3つのこと

柳田が誓った投手陣を救う「野手陣の熱い覚悟」
周東が明かす偽らざる本音「負けようと思ってやっていない」
柳田が語った、20歳右腕藤原に秘められた「才能」

「こういう時は本当に野手が助けられるようにやっていかなきゃいけないと思いますし、今は若いピッチャーがたくさんいるので。『なんとかしたい』と、みんなが感じていると思いますし、野手がピッチャーを助けるっていう気持ちが大事なんじゃないですかね」

周東佑京【写真:栗木一考】
周東佑京【写真:栗木一考】

20歳右腕に見た光「早く勝ちを付けられるように」

 普段のさわやかな笑みとは違い、真剣な表情で柳田は言葉を発した。37歳の脳裏に浮かんだのは、4月を終えて単独最下位に沈んでいた昨季のこと。自らをはじめ、野手陣の主力が相次いで戦列を離れた。苦しい時期を乗り越えられたのは、主力不在を懸命にカバーした投手陣のおかげ――。だからこそ、今年は野手陣が支えなければいけないとの覚悟は強い。

 20日の同戦で2安打を放ち、連続出塁を6試合に伸ばした周東佑京外野手も「(チーム状態は)悪いですよ。連敗が続いて、良くはないですよ」と語ったうえで、柳田と同じ思いを口にした。

「前を向いてやるしかないんじゃないですかね。別に試合開始から負けようと思ってやっているわけじゃないし。(投手陣が)失点を重ねた時に、野手がもっと点を取ってやらないといけないとは思います」

 チームにおいて野手と投手は持ちつ持たれつの関係だ。だからこそ、決して感情的にはならずに現実と向き合う。長年チームを支えてきた2人に、苦境だからこそ心がけるべきことを聞いた。「やれることに集中してやるだけですね」と柳田が口にすると、周東も「なんとか良くなるよう、やれることをやるしかない」と同調。やはり考えは変わらなかった。

 20日の同戦でプロ2度目の先発に臨み、3回途中5失点と苦しんだ20歳の藤原大翔投手に対し、柳田はこう語った。「あれだけ腕を振って、いいボールを投げているので。昨日は打たれましたけど、すごいピッチャーになると思います。早く勝ちを付けられるように、ですね」。苦しくとも、互いを思いやる気持ちは変わらない。必ず、歯車がかみ合う日は訪れる。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)