周東佑京の涙「お母さんが頑張ってくれたのかな」 本盗に隠された事実「前の打者からいけると」

  • 記者:長濱幸治
    2026.05.10
  • 1軍
お立ち台で目を潤ませる周東佑京【写真:栗木一考】
お立ち台で目を潤ませる周東佑京【写真:栗木一考】

打っては2安打2打点の活躍「いい形を続けていきたい」

 走って、笑って、泣いた――。10日にみずほPayPayドームで行われたロッテ戦で周東佑京外野手が躍動した。3回2死三塁で鮮やかにホームスチールを成功させると、打っても2安打2打点。試合後のお立ち台では2024年4月に死去した母親の話題となり、涙を浮かべた。試合後には「僕が頑張ったんじゃなくて、お母さんが打てるように頑張ってくれたのかなと思います」と感謝の思いを口にした。一問一答は以下の通り。

――ホームスチールの場面は「いける」と。
「前のバッター、コンさん(近藤健介)の時から『いけるな』とは思っていたので。あとはベンチサイドからゴー(サイン)が出るか出ないかだけだったので。良かったです。いけるならいこうとは思っていました。最初から」

――リードも大きかった。
「サードに誰もいなかったですし、左ピッチャーだし。あれくらい出ていても大丈夫かなとは思っていました」

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――ベンチには「サインを出してくれ」という合図は送っていた?
「いや、僕から出しても多分(ベンチに)気付かれないと思ったので。本多(雄一)コーチに『いけそうじゃないですか?』とは伝えました。で、『いけ』と言ってもらえたので」

――単独でのホームスチールの経験は?
「わからないですね。25年くらい野球をやっているので。あるかもしれないし、ないかもしれない」

――近藤選手の打席の時から「いける」と思ったのはなぜ?
「(投手が)すごくバッターに集中していましたし、(投球も)だいぶ足を上げていたので。『いったら多分セーフだろうな』とは思っていました」

――相手投手の若さや経験とかは関係ある?
「どうなんですかね。多分、ホームスチールされたことのないピッチャーの方が多いと思うので。そこはあまり関係ないのかなとは思います」

――タイミング的には際どかった。
「でも全然、僕の感覚的にはリクエストをしたらセーフかなと思ったので。どちらにしても」

――意識的に捕手のタッチをかわした?
「上から(ホームベースに手を)被せていって。とっさにできて良かったです」

――ボールがこぼれたのは見えていた?
「いや、もうお腹に挟まっていたので。『あ、セーフや』と思いました」

――柳田選手に対してロッテが極端なシフトを敷いていたのもリードを大きくできた要因?
「取りやすかったですね。あそこからは絶対に(けん制に)入れないので。入ってきたとしてもホームに走っちゃえばいいし。色んな要素があって成功できたのかなと思います」

――ホームスチールは常に考えている?
「盗塁は考えていないですけど、多少のワンバンでいけるようにとか。2アウトになればなおさら、とは考えていますね」

――小久保裕紀監督が「打線の重い雰囲気を変えてくれた」と話していた。
「どうなんですかね。個人としても最近攻めきれていないというか、思い切ってできていない部分があったので。なんとか流れを変える中でも、アウトになったとしても攻める姿勢は大事なのかなと、ここ数試合はずっと感じていたので。良かったです」

――小久保監督は「9番と1番の足で流れを変えた」とも話していた。
「やっぱりホームランを打つのは難しいですし、僕や庄子(雄大)とかは、そういうところができないと試合に出られないので。そういうところを2人でやっていけるのは、チームにとっても良いことだと思います。僕は毎回、庄子にジェラシーを感じながら、刺激をもらいながらやってますし。相乗効果がいい形で出ているのかなと思います」

――庄子選手のどこにジェラシーを感じている?
「やっぱりベルーナであの当たりでツーベースにするところとか。この前はアウトになりましたけど、どんなに点差が開いていてもしっかり自分の中で仕掛けて攻めていっているので。僕は今年、盗塁数も少ないですし、いききれていない部分があるので。そういうところに刺激をもらいながらやっています」

ホームスチールを成功させた周東佑京【写真:栗木一考】
ホームスチールを成功させた周東佑京【写真:栗木一考】

ホームスチールの本音「やってみたくはないです(笑)

――去年のオールスターでもホームスチールのチャンスがあったが、やってみたかった?
「やってみたくはないです(笑)。打って返してもらった方が、絶対に僕は楽ですもん。(ホームスチールが)アウトになったら『あーあ』って言われるでしょう?(笑)」

――やってみての達成感は?
「『こういう(プレーの)可能性があるよ』と思わせるだけで(相手投手は)投げづらいでしょうし。そういう意味で今日はいけて良かったです」

――「母の日」に特別な思いはあった?
「どれだけ感謝しても、しきれない母親でしたし。なんとか今日はやりたいなと思っていましたけど。お母さんが頑張ってくれたのかなと思います。僕が頑張ったんじゃなくて、お母さんが打てるように頑張ってくれたのかなと思います」

――改めてどんなお母さんだった?
「優しかったですし、自分が上手くいっていない時とか、常に連絡くれました。『そんな顔して野球をやっているんじゃないよ』『自分が好きでやってるんでしょ』と、尻を叩いてくれるようなお母さんだったので。そういう連絡がないのは寂しいですけど、今日はなんとか良い姿を見せられて良かったです」

――バッティングも良い感じだった。
「今日良くても明日ダメっていうのが、すごく続いているので。良い形を続けていけるように、しっかり練習してやっていきたいです」

――今日のバットは実家に届ける?
「届けないですね(笑)。絶対に届けないです。打ったんで練習で使います」

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)