柳町達は12打数無安打も“問題ない” 長谷川コーチが明かす現状と期待「自分の城をさらにデカく」

  • 記者:長濱幸治
    2026.04.26
  • 1軍
代打の準備をする柳町達(中央)と戦況を見守る長谷川勇也コーチ【写真:栗木一考】
代打の準備をする柳町達(中央)と戦況を見守る長谷川勇也コーチ【写真:栗木一考】

25日のロッテ戦では2戦連続でスタメン外れる

 力のない打球が左翼手のグラブに収まると、ぐっと唇をかんだ。連続ノーヒットが12打席まで伸びた柳町達外野手。「本人からすれば、ちょっとしんどいところかなと思いますね」。悩める29歳の心中をおもんぱかったのは、長谷川勇也打撃コーチ兼スキルコーチだった。

 25日のロッテ戦(熊本)。2試合連続でスタメンを外れた柳町の出番は5点を追う9回2死に訪れた。代打で登場したものの、結果は左飛でゲームセット。18日のオリックス戦(みずほPayPayドーム)で2安打を放って以降、出場4試合で快音が聞かれていない。

 チームはここまでシーズンの1/6に当たる24試合を消化した。そのうち柳町は23試合に出場(うち19試合は先発)し、打率216、0本塁打、11打点。昨季リーグトップを記録した出塁率も.314と、まだまだ本来の力は出せていない。開幕8試合のうち7試合で安打をマークするなど、好スタートを切ったかに思われたが、苦悩の日々が続いている。

 先発オーダーを一任されている長谷川コーチは柳町の現状をどう見ているのか。返ってきた答えは“打撃職人”ならではのものだった。「ここを乗り越えることができたら本当に……」。29歳の抱える葛藤を受け入れたうえで、大きな期待を口にした。

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続きの内容は

12打席無安打でも「問題なし」…長谷川コーチが語った根拠
柳町の「本来の良さ」を失わせる…打撃職人が警告した行動
長谷川コーチが柳町に望む「本当のレギュラー」の定義と、その先の“景色”

「ハードヒットは結構できてはいるんですけど、それが打率に結びついていないので。何とも言えないんですよね……。いろいろと(データも)見ましたけど、ボールゾーンのスイング率も低いですし。数字が出ていないというだけではあるんですけど、本人からすればしんどいところかなと思いますね」

長谷川コーチが期待する未来「自分の城を…」

 柳町の状態はデータ面で見れば「問題がない」と強調する長谷川コーチ。一方で、万全のアプローチをしても安打が生まれないことがあるのも、また野球だ。長谷川コーチ自身も現役時代に何度も経験した“もどかしさ”を、柳町にも感じているという。

「やっぱりこの時期は特に打席数も少ないし、数字が大きく変動するので。そういう面で結構引っ張られる感じは多少あります。本当に焦りにつながらないようにしてほしいですよね。結果を求めてボール球にまで手を出してしまうと、彼の本来の良さがなくなっていくと思うので。とにかく甘いボール、打てるボールにスイングを入れていって、という感じですかね」

 柳町の強みは何と言っても出塁能力の高さだ。際どいボールを平然と見送り、打ちごろの球をきっちり打ち返すスタイルが昨季のタイトルにつながった。平常心こそが“打撃の要”だからこそ、心の揺らぎは天敵となる。

「本人も去年、あれだけの数字を残したうえで今シーズンに入って。やっぱりもどかしさは感じていると思うんですけど。今が彼にとって“そういう時期”かなと。なんとかここを乗り越えることができれば、本当のレギュラーとしての自信がもっと芽生えてくるのかなと思います。乗り越えて、自分の城をさらにデカくしてほしいですね」

 長谷川コーチにとって柳町は左の巧打者という共通点があるからこそ、その苦しみも、乗り越えた後に待っている“景色”も分かっている。さらなる高みへ上るために越えなければならない壁と直面した柳町。その姿は楽しみでもある。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)