大津が3勝目、3度目の連敗ストッパー
「もう死ぬ気で投げました。チーム状況的にも1勝が欲しい試合だったので」。23日、チームが3連敗で迎えたベルーナドームでの西武戦。この重苦しい空気を打破したのは、大津亮介投手だった。7回1失点、9奪三振。自己最多となる118球の熱投で、今季自身3度目となる“連敗ストッパー”の役割を見事に果たした。
最後は魂をふり絞った一球だった。1点リードの7回2死二塁。代打・栗山を迎えた一打同点の場面だった。「大事な場面だと分かっていたので、全力でいきました」。この日の118球目、真ん中低めに投じたチェンジアップで二ゴロに仕留めると感情を爆発させた。
開幕当初は“先発6番手”との評価だった右腕が快投を続けている。小久保裕紀監督も「現状(他の先発陣を)ごぼう抜きです。どんどん自信をつけてやってほしい」と絶賛した。投手としてのステージが一段上がったことを感じさせる投球の裏には、首脳陣も認める“明らかな変化”があった。
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102球での続投を決めた、倉野コーチが掛けた信頼の一言
評価「ごぼう抜き」。指揮官も驚く大津の劇的な進化の正体
「死ぬ気で投げた」118球。試合後に右腕が漏らした本音
「真っすぐをしっかり投げ切ること。それをオフからずっと言い続けてきた。それが今、すごく良い形で表現できている。それに一番は、去年や一昨年と違ってスタミナ面でもかなり向上が見える。そういう点でも本当に頼もしく見ています」
こう右腕を評したのは、倉野信次投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)だ。その言葉を証明するように、この日の大津は終盤になっても球威が落ちなかった。最速150キロを計測した直球は、7回でも147キロを記録。「球数を抜きにしても、まだまだ投げられそうな余力は残っていたんじゃないかな」と、その成長に目を細めた。
自身19イニングぶりの失点を喫した5回。1死二、三塁で滝澤のスクイズに対し、外そうとしたボールが暴投となり、三走の生還を許した(記録は本盗)。同点に追いつかれる嫌な展開にも、続くピンチで西川をチェンジアップで空振り三振に打ち取った。「やっぱり三振が欲しいところで取れた。そこは本当に1つ良かった点」。緊迫したロースコアのゲームにも動じることなく、9つの三振を積み上げた。
102球でも7回続投、ベンチでかけた声
6回終了時点で球数は102球に達していた。ベンチに戻った大津に対し、倉野コーチがかけたのは「肩とか肘とか、体は大丈夫か」という確認だけだった。短くグータッチを交わす姿に、信頼の厚さが滲んだ。「それくらい素晴らしいピッチングだった」と倉野コーチ。首脳陣の期待に、大津は最高の結果で応えてみせた。
「僕が投げる試合は最低でも7イニング。クオリティースタート(QS)は絶対に達成したいというのが毎試合の目標です。それに今年は最後まで出力が落ちずに投げられている感覚もあります」。今季は開幕から4戦全てでQSを達成し、先発投手としての責務をこれ以上ない形で全うし続けている。
連敗中のチームを救った118球。試合後に右腕はホッとしたような表情を見せた。「良すぎるかなと思っているので、これからも継続していいピッチングができるように頑張ります」。成長を遂げた右腕がチームを引っ張っている。
(森大樹 / Daiki Mori)