プロ初登板翌日に2軍降格…稲川竜汰が上茶谷大河からもらった“男気エール”…首脳陣から告げられた課題

稲川竜汰【写真:栗木一考】
稲川竜汰【写真:栗木一考】

悔しいデビューから一夜明け…ドラ2ルーキーがファームに合流

 忘れられないプロ初登板から一夜――。ドラフト2位の稲川竜汰投手が2日のヤクルト戦(戸田)からファームに合流した。「悔しいっすね……」と思わず言葉を漏らした22歳。苦い記憶とはなったが、背中を押された先輩の気遣いもあった。

 稲川は1日の楽天戦(楽天モバイル最強パーク宮城)で9回にプロ初登板。2四球2暴投と制球が定まらず、2/3回で途中降板した。試合後に小久保裕紀監督は「このままだとドツボにはまりそうなので」と登録抹消を明言していた。

「いつも通りの感じでいこうと思ったんですけど、そう簡単には上手くはいかないな、と」。普段とは違った初めての“感覚”。直球でストライクが取れず、もがき苦しんだ。試合後に監督室で告げられた2軍降格。直後には先輩たちから言葉を受け取った。

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右腕を救った先輩たちの「温かい言葉」
首脳陣が指摘した「もう一つの課題」
2軍合流の稲川が明かした前向きな言葉

「試合中から試合後まで、どうしても考えすぎちゃっていたんですけど、試合が終わった後に投手陣の先輩たちから声をかけてもらって。気持ち的に楽にはなりました」

 6点リードの9回、雨で濡れたマウンドに緊張の表情で上がった。「ブルペンではそこまで緊張はなかったんですけど、マウンドに上がってからですね」。3月のオープン戦とは全く違う“空気感”だった。「やっぱり『これが1軍か』と。普段は絶対に味わえないような緊張感をすごく感じました」と静かに振り返る。

首脳陣からの“課題”と背中を押された言葉

 まだ1年目の22歳。力強くブルペンを支える中継ぎのメンバーもまた、こうした苦しいマウンドを糧に成長してきた。次々と励ましの言葉をかけられる中、稲川の後を継いで登板し、試合を締めくくった上茶谷大河投手からは「胸を張れ」との言葉をもらった。先輩投手陣の思いはただ1つ。「這い上がってこい」との願いだ。

 この日は制球面で苦しんだだけでなく、直球の最速も146キロに留まった。試合後には首脳陣から「ストレートの球速がだいぶ落ちている。まずはそこを上げていくこと」と改めて課題を指摘された。そのうえで「誰しもこういう経験をする。絶対に戻ってこいよ」と背中を押された。

「開幕1軍を目標にしていたので、そこまでは良かったんですけど。すぐに抹消されてしまったので。今はもう『やってやる』という気持ちしかないです」

 入団直後に味わった“屈辱”。ファームで過ごす時間を間違いなくプラスに変えてみせる――。背番号「13」は、しっかりと前を向いて歩みを進める。

(森大樹 / Daiki Mori)