小久保裕紀監督が“試合中”に決めた2軍降格 ゴロ後逸の笹川吉康「プロとして恥ずかしい」

マツダスタジアムで広島戦に臨んだ小久保裕紀監督【写真:森大樹】
マツダスタジアムで広島戦に臨んだ小久保裕紀監督【写真:森大樹】

球団から提案も…育成左腕・アルメンタは「基本的に先発」

 ソフトバンクは22日、広島とのオープン戦(マツダスタジアム)に臨み5-5で引き分けた。先発したカーター・スチュワート・ジュニア投手は2回1/3を投げて3失点。その後は7人の投手が登板し、広島打線に計9安打を許した。打線は3回に栗原陵矢内野手と、谷川原健太捕手が適時打を放つなど3得点。8回には笹川吉康外野手と川瀬晃内野手の適時打で一時は逆転に成功したが、幕切れはあまりにも衝撃的だった。

 1点リードの9回2死一塁。代打・秋山翔吾外野手の右前打を、右翼・笹川が痛恨の後逸。同点に追いつかれる失策となり、小久保裕紀監督も「プロとして恥ずかしい」と断罪した。オープン戦17試合を終えて、6勝9敗2分けの9位。このタイミングで、指揮官は2軍に降格させる7人の名前を明言した。この日、取材に応じた主な一問一答は以下の通り。打率.174と不振だった柳町達外野手にも具体的に言及し、明確な“特権”を与えていることを口にした。

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続きの内容は

笹川を「恥ずかしい」と断罪、激震の7人降格
不振の柳町に認めた“特権”と、選別の基準
アルメンタ先発固定。柳田悠岐の起用プラン

●試合前

――2軍戦で大津亮介投手の開幕ローテ入りを保留していた。あらためて、6人決定した?
「大津まで含めて、6人決まりました。もう伝えています」

――ローテーションの順番も、今までの登板順の通り?
「そこまでは言えません。でもすぐに(日程の都合で)6枚いらないので。それをどうするかは、また考えますけど。上茶谷(大河)はずっといい状態なので、本人にも説明して中(リリーフ)に入ってもらおうかなと思います」

――ロングリリーフ要員のような形?
「そうですね。ロングかもしれないし、ショートかもしれない。そこはそういう風に考えています」

――勝ちパターン以外のビハインドや、先発が早く降りた時の役割。
「そうですね、最初はその役割が彼は大きくなると思います」

――逆にバックアップとして2軍で回るピッチャーも出てくる?
「その役割はもちろんいます。(東浜)巨であり、尾形(崇斗)」

――先日、大津投手のローテーション確定を一度持ち帰ったのは「もう少し頑張ってくれ」という激励も込めて?
「上茶谷も頑張っていたので、(大津の)あのピッチングの後に(ローテーション)当確とは言えない。持って帰って一応プランとして最終的な話をしてきた。そういう意味では、2人を呼んで話はしました」

――アレクサンダー・アルメンタ投手も中継ぎに入るパターンもある?
「アルメンタは基本的には先発です。球団から中では使わないでくれと。先発でしっかり育てるということです。(城島健司)CBOからも連絡がきているので」

――リバン・モイネロ投手がチームに合流するスケジュールは決まっている?
「なんか噂では明日とか。全くわからない。連絡がつかないらしいので。飛行機に乗るかどうかもわからない。全てはもう来て会ってからの話です」

柳田悠岐が代打の日も…具体的に明かした起用ビジョン

――基本的に先発ローテーションはこの6人に、中6で回ってもらいたい。
「まあすぐ6人いらないんでね。次の週までなので。ある程度、その後のプランがあるけど、今は言えません」

――柳田悠岐外野手は今シーズン、守らせる方針はある?
「やっぱり長期離脱が一番困るので。守れる日が来れば守らせますけど。でも首の負担はスローイングの方がきそうと(話が)上がってきている。最初はちょっと守備はなしで、DH中心で起用しようかなと思っています」

――思い切ってスタメンから外す日もある?
「それは優先順位で。近藤(健介)を休ませてDHに入れる時とかは代打になる日があるかもしれないですね。そこはもう本人が守れる状態であれば、それが一番でしょうけど。山川(穂高)しかり、年間トータルで考えた時に何が一番ベストかというのを考えながら決めていくので」

――打線も今の編成上、左打者が多くなる。
「そうですね、左が多くなりますよね。元々そういうチームなので」

――右打者では廣瀬隆太選手がオープン戦打率.278と、限られたチャンスの中、結果を残している。
「廣瀬はこの後半、井上(朋也)との比較もあったんですけど。打席内容、結果を見ていると、全然廣瀬の方が上ということできょう(広島に)連れて来ています。最終の(1軍)メンバーになるかどうかは、きょう全部が終わってからです」

――今、野手が19人。基本的には2人減って17人でスタートする?
「2人なのか3人なのか。別に2軍戦もあるので、最終的に呼べばいいだけの話ですし。こっちは練習ですけど、そういう選手はむしろ試合に出たほうがいいとなったら、2軍に送り込んでおいて、最後また戻すということもあるかもしれない」

――打順は長谷川勇也打撃コーチ兼スキルコーチが今後も決めていく?
「きょうも持ってきていますよ。僕は何も口出ししていないし、ちゃんと前日にはメールで送ってきます」

――シーズンが始まれば監督の考えも入ってくる?
「まあでもほぼ一任しようかなと思っていましたけど。じゃないと口を挟んだら彼がオフに色々やってきたことが台無しになるので。もちろん各ポジションに誰が行くというのは、我々というか野手コーチと相談しますけど。『このポジションで行きますよ』となった時の打順は、彼(長谷川コーチ)がしっかり組み立てます」

――今年のオープン戦は良い競争だった?
「WBCがあったおかげで、普段見られなかった選手をこのギリギリまで見ることができたというのはありますね。それを踏まえて後(試合途中)から行く選手なのか、昨年までの柳町みたいに、下(2軍)でレギュラークラスの選手に万が一、故障があった時に入る選手なのかの見極めは十分できる時間があったと思います」

――総合的に1軍レベルでも2軍に置く選手が出てくる可能性もある?
「僕のメンバー編成は1位から17位まで野球が上手い順ではないので。ベンチの役割においての順位を決めているので。代走の順位は誰、代打の順位は誰。レギュラーとしては誰を基本的には使うみたいな。変わるポジションもあるかもしれないですけど、基本的には『ここはこの選手で』と決めたら、そこの控えに回ってる選手がファームでより多く打席を立つというのは僕の考え。それは理解してもらうしかないので」

――イヒネ・イツア選手は最初に与えた目的をある程度、オープン戦の中でクリアした?
「可能性があるとしたら、代走からの守備固め。外野であれば1軍枠に残れる可能性はあるというのを昨年、日本シリーズが終わる前くらいに球団と話して。フェニックス・リーグ、秋季キャンプで外野を練習させて。ここまでの成長はすごいですね。実際肩の強さもありますし、ただ打球判断のところはまだまだ物足りないというか。もっと伸びていかないといけないですけど。でもそこのスタートにあたっては、十分な結果、成長した姿を見せてきたなというのは我々首脳陣の評価ですね」

打率.174も…柳町達が開幕1軍入り「彼が勝ち取った権利」

●試合後

――9回2死一塁で笹川選手が後逸。最後のプレーについて。
「プロとしては恥ずかしいです」

――途中出場の野手陣が打撃でアピールした。
「いや、笹川はもうファームです」

――先日は「いいアピール」というお話もあった。
「きょうの最後のプレー。(開幕1軍は)決まっていましたよ。本人にも言いましたけど。コーチ陣との議論の中で(1軍に)置いておくことはできない、と」

――捕手も1人降格?
「キャッチャーは渡邉陸。とりあえず捕手の体制は2人でいくので。陸に『1回ファームでやってこい』と話しました」

――秋広優人内野手は?
「秋広も一旦ファームで。これまでの(柳町)達と一緒ですけど、後(試合途中)から行く選手じゃないので。代打でも3番手になるし、そうなるとやっぱりレフト、DH、ファーストというところ。(誰かが)故障や病気の時にパンと入れるように、今はファームをやらせておくという。それは彼にも『チーム編成的にそうするから』ということで説明はしました」

――野手は16人?
「今は16人でしょうけど、開幕はどうなるかわからないです」

――中継ぎ投手にも通告した?
「ピッチャーは津森(宥紀)、中村(稔弥)、大江(竜聖)と大竹(風雅)は一旦ファームですね」

――新人2選手(稲川竜汰、鈴木豪太)は残った?
「残っています。野手17名、中継ぎ9名の絡みがあるので、登録するかは別にして今のところは残ります」

――最終的な降格の判断はいつした?
「全てにおいて、きょうの試合までの判断ということで。きょうの最後の最後まで、本当に試合中に決まりました」

――1試合、1プレーに賭けるということ。
「そうですね。ピッチャーの場合は特に、稲川とか昨日ときょうでは全然(結果が)違ったし。本当にちゃんときょう結果を残した選手は残そうということになりました」

――栗原陵矢内野手は、状態を上げてきている?
「状態を上げているというか、それも議論したけどね。(後になって)『オープン戦なんやったんやろうね』というような、そういう開幕ダッシュができる可能性のある選手、力がある選手なので。そこに賭けてみようかなということで判断しました」

――柳町選手に関しても、最後は当たりが出なかった。
「達は毎年この時期こうやね。今年ちょっと2月の頭は『あれ、(打つの)早いな』と思ったけど、結局、去年の実績があるからね。開幕1軍でスタメン候補ではありますけど。それは彼が勝ち取ったある意味、権利ですよ。去年そのタイトルホルダーでなければ、多分きょう去年と同じように1回ファームで準備しとけってなったかもしれないですけど。それは彼が去年出した結果なので。1つランクが上にいったということですね」

(森大樹 / Daiki Mori)