熾烈な定位置争いも「楽しいです」 栗原陵矢の強がりではない本音…明かした“思考の変化”

栗原陵矢【写真:森大樹】
栗原陵矢【写真:森大樹】

OP戦は打率.225、0本塁打、1打点…「めちゃくちゃ不安です」

 選手会長であっても“特別扱い”はない。シーズン開幕を1週間後に控え、試行錯誤を繰り返す日々を送りつつも、栗原陵矢内野手の表情は晴れやかだ。「めちゃくちゃ不安ですし、もどかしいという感じですね。でも……」。続けて口にした言葉に、思わずハッとさせられた。

 19日にみずほPayPayドームで行われた全体練習。“打ち終わり”で主力が続々と引き上げる中、栗原は投手陣が練習するセンター方向に向かった。その理由はすぐにわかった。WBCでの戦いを終え、この日チームに合流した松本裕樹投手と言葉を交わす姿に、選手会長としての思いが見えた。

 18日の中日戦で2安打を放ったものの、オープン戦成績は打率.225、0本塁打、1打点と本来の力を出し切れてはいない。小久保裕紀監督からも「レギュラーではない」と断言される中で、栗原は現状をどう捉えているのか――。ありのままの本音に迫った。

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続きの内容は

不安と焦りの中で栗原が語った「意外な本音」とは?
小久保監督の厳命に栗原が示した「揺るがぬ覚悟」
打率2割台でもたどり着いた“新境地”の思考法

「もちろん結果を出したいですし、なんかこう……。『やってきたことが間違っていたのかな』とか、『今に繋がっていなかったのかな』とか、色んなことは考えますね」

小久保監督の言葉に「もちろん受け止めています」

 練習中も、そして試合でも暗い表情は見せない栗原だが、内心はもちろん焦りもある。小久保監督は14日のDeNA戦後に「(栗原の状態が)もう上がってこなければ、ショート今宮(健太)、サード(野村)勇というのも考えないといけないかもしれないので」と口にした。「もちろんそれは受け止めています。(野球を)やめるまで、それはずっと一緒かなと思います」。熾烈な争いの渦中にいることは、栗原自身も理解している。

「めちゃくちゃ不安です。不安だし、もどかしいという感じですね」。そう明かした栗原だが、続いた言葉は意外なものだった。「でも、なんかそれが楽しいというか。『もっともっと上手くなりたいな』と思いながらやれてはいますね」。

 その言葉が強がりでないことは、表情からも明らかだった。「今年はなんか、自分の中でも考え方が変わっているかなと思います。今までやってきたことを、自分が認めてあげられたらというか……。今までも十分やってきましたし、それを認めてあげられたらなとは思います」。

 根底にあるのは、純粋な思いだ。「やっぱりもっともっと長く野球をやりたいので」。プロ野球選手である以上、競争と隣り合わせの日々は続く。自らを認め、信じること――。これまでにない思考法にたどり着いたからこそ、「楽しい」という感情が胸に残り続けている。

「気が楽にはならないですけど、引きずることはないですね」。激しい定位置争いに一喜一憂することなく、自らの役割を全うする。選手会長として、そして1人のプレーヤーとして、大きな飛躍を遂げる1年にする。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)