正捕手は「まだ決まっていない」 小久保監督が「開幕2人体制」発言…“OP戦先発バッテリー”に見るサバイバル

捕手陣と会話する細川亨コーチ(中央)【写真:栗木一考】
捕手陣と会話する細川亨コーチ(中央)【写真:栗木一考】

小久保監督が開幕メンバーに言及「野手は17人に…」

 オープン戦期間も折り返しを過ぎ、残すは6試合となった。投手、野手ともに開幕1軍入りをかけたサバイバルは佳境を迎えているが、捕手陣の争いも2026年シーズンを左右する大きなポイントとなる。14日、DeNA戦(横浜)の試合前、小久保裕紀監督は注目の発言をした。

「まだはっきりとは決めていないですけど、栗原が本当に(捕手が)できるとなれば、(開幕1軍に)3人は要らないですね。野手は17人にしようかなとは思っていて、今プランを組み直しているので。キャッチャーは2人が濃厚ですかね」

 春季キャンプでは海野隆司捕手、谷川原健太捕手、渡邉陸捕手がA組(1軍)入りし、現在までその形は変わっていない。S組に入った嶺井博希捕手はキャンプ途中にB組(2軍)に加わり、14日に行われたファーム開幕戦にも出場した。開幕1軍の椅子は、現時点で2つ。今季の正捕手は誰になるのか――。首脳陣の考えに迫った。

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細川コーチが明かした正捕手サバイバルの「カギ」
海野、谷川原、渡邉陸…成長を感じる「姿の変化」とは
首脳陣が考える2026年版の「勝てるバッテリー」

「今は色んなピッチャーと色んなキャッチャーを組ませて、とにかく会話をさせてあげたいなと思っています。キャッチャーによって言葉も違うだろうし、ピッチャーの考え方もそれぞれ。お互いにとって相乗効果が生まれると思うので。1つの型、1つのパターンに収まってほしくないという思いはあります」

 細川亨バッテリーコーチの言葉通り、ここまでのオープン戦の先発バッテリーを見ると首脳陣の考えが透けてくる。

1日 西武戦 東浜―渡邉
3日 ヤクルト戦 上茶谷―谷川原
4日 ヤクルト戦 大関―海野
5日 ヤクルト戦 上沢―渡邉
6日 阪神戦 松本晴―海野
7日 阪神戦 尾形―谷川原
8日 オリックス戦 スチュワート―海野
10日 巨人戦 東浜―海野
11日 巨人戦 大津―谷川原
12日 巨人戦 上沢―海野
14日 DeNA戦 松本晴―谷川原

 先発バッテリーをみると、ここまで11試合で同じコンビは1度もない。細川コーチが語るように、新たな相棒と会話を重ね、より相互理解を深めることを狙った起用法と言える。また、もう一つ大きな特徴がある。それは2025年シーズンに出来上がった“既成概念”を取り払おうという考えだ。

“ファーストチョイス”バッテリーはわずか2回のみ

 オープン戦11試合に先発した投手のうち、2025年の先発マウンドに上がったのは上沢、大関、松本晴、大津、東浜の5人だ。それぞれがどの捕手と一番多くバッテリーを組んだかを見てみると、上沢は海野(14回)、大関は嶺井(19回)、松本晴は海野、嶺井(各5回)、大津は海野(10回)、東浜は嶺井博希、谷川原(各3回)となる。

 いわば“ファーストチョイス”の捕手とのバッテリーという観点で見てみると、ここまでのオープン戦で6日の阪神戦(松本晴―海野)と、12日の巨人戦(上沢―海野)の2度しかない。これも小久保監督が口にしている「1度壊す」の一例なのかもしれない。

 現状の捕手起用について、細川コーチはこう説明する。「固定観念がない状態で、いろんな可能性を見てみたいという思いはあります。オープン戦の最後の方、ここくらいまでしかできないので」。そしてこう続けた。「シーズンに入っても競争なので。そこは監督も言われた通り、『正捕手は決まっていない』ということです」。

 西武、ホークスで長年正捕手を務めた経験もある細川コーチは、サバイバルを勝ち抜くための“カギ”を挙げた。「例えば僕が試合に出ていない時でも、投げたピッチャーと会話はしていましたね。『これはどうだったの?』『俺ならこう考えていた』みたいな。自分がもうマスクを被っている感覚で試合を見ていたので。そこは今のキャッチャー陣もただベンチで見ているだけじゃなくて、そういう形で次に繋げてほしいなと。試合に出ていない時の姿が一番大事になってくると思いますね」。

 一方で、現状の起用法がプラスに働いている面もあるという。「海野もかなり配球が変わってきていますし、責任感が出てきたなと思います。それは谷も同じです。陸に関してもキャンプから休まずにアーリーワークをやっている。姿がそれぞれ変わってきているのは、いい形できているんじゃないかなと思います。あとは“勝てるバッテリー”を作り上げていければ。もちろん、正捕手ができればいいんですけどね」。

 甲斐拓也捕手が抜けた昨シーズンは、捕手陣の支え合いもあって日本一奪還を成し遂げた。リーグ3連覇、そして2年連続の日本一に向け、正捕手争いはどう展開していくのか。大きな注目点の1つとなるだろう。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)