大関友久が明かす新ルーティンは「自分自身を愛する」 ライブBPをやらない“真意”

打撃投手で登板した大関友久【写真:栗木一考】
打撃投手で登板した大関友久【写真:栗木一考】

開幕投手候補の上沢は25日の台湾遠征で登板

 25、26日の台湾遠征に臨むメンバーに大関友久投手の名前はない。開幕投手候補の上沢直之投手が25日の中信兄弟戦に先発するのに対して、もう1人の候補でもある左腕はここまで打撃投手(BP)として2度登板したのみ。試合形式のマウンドには上がっていない状況だ。

 開幕投手候補2人の調整ぶりを見ていると対照的にも映るが、全ては大関の想定通りだ。初めて打撃投手に臨んだ16日、当初はライブBPと伝えられていたが、行われたのは防球ネットを立て、相手に球種を伝えながらピッチングする“打撃投手”の形式だった。

 一般的には打撃投手よりもライブBPの方が、より実戦的な練習となる。それでも大関は21日も2度目の打撃投手登板を選んだ。一見すれば些細な違いにも見えるが、ここに左腕なりのこだわりがあった。

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続きの内容は

時代の流れに惑わされない大関の「精度」へのこだわり
左腕が明かした投球直前に「自分を愛する」意味
マイペース調整を貫いた大関が描く2026年の「青写真」

「ライブBPだと球種を伝えられないじゃないですか。だからバッターの反応が分からない。例えばバッターが『スライダーかもしれない』と待っていたから真っ直ぐに差し込まれたのか、直球狙いだったけど、その上で差し込まれてたのかが分からないので。あえて球種を伝えるバッティングピッチャーの方が、自分の中で“精度”が上がるので。さっきはホームランになったのに、次はファウルになった時に『何が違うのか』が分かりやすいというメリットはありますね」

主流のライブBPよりも…「メリットをより享受したい」

 現在の主流はメジャーでも行われているライブBPであることはもちろん理解している。「どちらかというとライブBPが投げやすいという人が多い気はするんですけど、僕にとってはそこじゃなくて。1つ1つ確認ができるBPのメリットをより享受したいなと。今はあまり(BP)をやる人が少なくなっていると思うんですけど、僕としてはすごく有効な練習だなと思います」。流れに乗るよりも、自らの感覚を重視した調整を続けている。

 2026年に入り、もう1つの変化も生まれている。投球動作に入る直前、目を閉じて呼吸を整える“間”ができた。こちらも些細な仕草ではあるが、大関友久投手らしい明確な理由があった。

「ピッチングのサイクルの1つとして、まずはやってみようかなと。自分の中でより投球に集中するために“演じる”。そのフェーズの中で、ちょっと哲学的な話かもしれないんですけど、『自分自身を愛する』みたいなことをすごく大事にしているんですよね。その上で1球1球を投げるというのはやっているので。ちょっと恥ずかしいんですけど、目を閉じた瞬間に『自分を愛する』と思いながら投げていますね」

 技術面をとことん突き詰めたBPへのこだわりと、“魂の投球”を追い求めるからこそ生まれた左腕のルーティン。2つの変化は、大関の強い向上心の表れだ。

「1月は試したいことがあって、かなり(球数を)投げたので。2月は少し減らそうと決めていました。今の時期にしかゆとりは持てないなと思って」。チームメートの姿に流されることなく、マイペース調整を続けてきた左腕。26日にはB組の練習試合で今春初のマウンドに上がる予定だ。静かに、だが確実に歩を進めてきた大関の姿が楽しみだ。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)