揺れる視界も…ほぼ無休で練習 脳挫傷から1年3か月、生海が戦う“もう1つ”の敵

  • 記者:上杉あずさ
    2025.02.28
  • 1軍
約1年3か月ぶりに屋外でフリー打撃を行う生海【写真:上杉あずさ】
約1年3か月ぶりに屋外でフリー打撃を行う生海【写真:上杉あずさ】

2月20日にタマスタ筑後でフリー打撃…いきなり見せた柵越え

 大きな一歩に笑顔がはじけた。「今は悩むことすら嬉しい」という言葉に、野球ができる幸せが詰まっている。一歩ずつ実戦復帰を目指す生海外野手が、約1年3か月ぶりに屋外でフリー打撃を行った。久々の柵越えの感触を噛み締めると、自らの“近況”を打ち明けた。

 昨年1月、球団施設内での自主トレ中に打球が直撃。「左側頭葉脳挫傷」と診断され、長いリハビリ生活を送ってきた。ファーム施設「HAWKSベースボールパーク筑後」に“通勤”することさえできない時期もあった。体調が優れない日も多く、復帰への道のりは簡単ではなかったが、昨秋から少しずつ体を動かせるようになってきた。

 一進一退を繰り返しながらも、ここまで精力的に汗を流している。今春のキャンプでは休日も返上し、毎日のように筑後に足を運び、バットを振ってきた。そして、2月20日。待望の屋外フリー打撃“当日”を迎えた。太陽の下、打球を飛ばすのは1年目の秋季練習以来だ。準備の段階から、すでに笑みがこぼれ「楽しみです」と思わず少年のようなワクワク感が溢れた。

 美しい青空が広がる中、生海は思いっきりバットを振った。持ち味のパンチ力を発揮するまでに時間はかからなかった。右翼の防球ネットに突き刺さる大きなアーチをかけると、「久し振り~」と声を上げ、懐かしい感触に浸った。スタンドのファンからも、温かく、大きな拍手が起こった。その後も強烈な打球を飛ばし、1年3か月ぶりとは思えぬパフォーマンスを発揮した。

中谷将大リハビリ担当コーチ(野手)に見守られながらフリー打撃を行う生海【写真:上杉あずさ】
中谷将大リハビリ担当コーチ(野手)に見守られながらフリー打撃を行う生海【写真:上杉あずさ】

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)