「太ったっす。リハビリ中は上半身しかウエートトレーニングができなかったので。そこをメインに1、2か月やっていたのと、ご飯もめちゃくちゃ食べていたので……。今が75キロで、去年のシーズン終わりは70キロくらいだったので。5キロくらい太りましたね」
頭をかくような仕草を見せた周東だが、もちろん不摂生によるサイズアップではない。「上半身を鍛えようと意識はしていましたね」。狙いの一つは、2021年に手術した右肩のカバーだ。「手術後は肩が固まることも多かったですし、そういった不安を今年はなくしたいので。肩回りは重点的にトレーニングしましたね」。選手会長として、一番避けたいのは長期の離脱。先の長いシーズンに向けての準備に余念はない。
増量の目的はもう1つあった。「今年はもうちょい、長打も増やしたいなと。飛距離って意味ではなくて、セカンドの頭、ショートの頭を鋭く抜くようなバッティング。多少詰まったとしても、打球が外野の間を抜いていくっていうイメージでいきたいなと思っています」。
昨季はシーズン115安打を放ったが、うち長打は二塁打15本、三塁打5本、本塁打2本。長打率.341は、パ・リーグの平均.347とほとんど変わらなかった。ちなみにホークスは12球団で断トツの長打率.394をマーク。外野の間を抜く打球が増えていけば、最強の武器であるスピードをより生かせる算段だ。
一方で、体を大きくすることのデメリットも冷静に分析している。「やっぱり弊害もありますね。体脂肪が増えたら動きにくいなと。あまりにもデカくなりすぎて走れなくなるのも駄目だし、かといってスカスカ過ぎても駄目。そこのバランスを取っていかないとですね」。
現時点で体重を落としていく考えはない。「今のうちに体に体重を慣らさないといけないので。トレーニングをしながら体脂肪を減らしつつ、筋量を増やしてって感じです」。パワーアップした2025年版の周東佑京を見せるため、さらに引き締まったボディを目指すつもりだ。
ユニホームについては「サイズを少し大きくしてもらえるか、話はしています。まあ、状況に応じてですね」と“交渉中”だという。もちろん動きやすいに越したことはないが、肉体美が一目で分かる“パツパツユニホーム”も捨てがたい――。そんなファンの声が聞こえてきそうだ。