今季で7年契約の5年目を終えた柳田、現在の心境
ギータが激白した自らの“引き際”——。7年契約の5年目を終えた柳田悠岐外野手が鷹フルの単独取材に応じた。長期契約の終了とともに現役引退を公言していた36歳。2年後、本当に“Xデー”が訪れるのか。現在の心境を聞いた。
「(7年契約の満了で)フィニッシュ。そこまで決まってます」。そう口にしたのは、長期契約を結んだ2019年のオフだった。メジャーリーグへの挑戦よりも、“生涯ホークス”。柳田の野球人生において大きな決断だった。昨オフの契約更改時にも「そのつもりで、死ぬ気であと3年やります」と強調。強い決意を感じさせていた。
36歳を迎えた今季は5月末に右太もも裏の肉離れを起こし、約4か月の離脱を強いられた。最終的には52試合に出場して打率.286、4本塁打、35打点。長期契約が残り2年となったタイミングで、本人を直撃した。「本当にあと2年で現役を引退されるのですか?」——。ストレートな問いかけに、柳田は尊敬する先輩からもらった言葉を明かした。
「和田さんからは『長く野球をやった方がいいよ』とすごく言われたので。そこはいろいろと考えながら。とりあえず残り2年を必死にやって。まずは来年という気持ちでやります」
今季限りで現役を引退した43歳の和田毅投手との会話を明かした柳田。「いろいろと考えながら」という言葉には、これまで感じたことのない“意志”が込められていた。
7年契約満了後の“フィニッシュ”については「そっちの方が理想的なんですけど……」と本音をのぞかせた一方、3年後も期待していいのかとの問いかけには「どうでしょうね」とニヤリ。「まずは来年ですね。1年、1年しっかりとやって、自分の気持ちがどうなるか次第です」と、2027年以降の現役続行も視野に入っていることを認めた。
尊敬する"あの先輩"から重みある言葉「全然違う」
「契約が終わったらやめるとか言ってますけど、やっぱり40歳を超えても続けてほしい。もっと長く、彼が納得するまでやってほしいなと思います」。そう口にしたのは和田だった。
「やっぱり38歳で辞めてしまうのと、40歳を超えてからもプレーするというのは全然違うので。(小久保裕紀)監督も40歳を過ぎても現役をやられていましたし、40歳までいかないと分からない境地というのもあるので」。プロ生活22年、43歳まで現役を続けた左腕の言葉には重みがある。
1年でも長くプレーしてもらいたい——。和田がそう願うのは、柳田の将来を考えるからこそだ。「彼も将来は指導者ないし、球界に残らないといけない人間なので。40歳を超えての現役という“景色”を知っておくのと知らないのでは違うと思う。そこまでやれるのはプロの世界でも一握りだし、日頃トレーニングをしている姿を見ても、絶対にやれると思うので。体がやれるのであれば、そこまで挑戦してほしい、頑張ってほしいというのは伝えました」。
「自分のプロ野球人生に大きな影響を与えてくれた」と語る存在から力強く背中を押された柳田。最終的に判断するのはもちろん自分自身だ。2年後にどのような決断を下すのか。まだまだユニホーム姿が見られるかもしれない。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)