「自分でアタリやなって」 難治性疾患を公表…田上奏大の決意「やり切って終わりたい」

ソフトバンク・田上奏大【写真:竹村岳】
ソフトバンク・田上奏大【写真:竹村岳】

ランゲルハンス細胞組織球症を公表「世界中でも文献ないほどの例だと…」

「病気になったのが自分で“アタリ”やなって。今ではそう思えますね」。穏やかな表情で口にしたのは田上奏大投手だった。今春に難治性の疾患「ランゲルハンス細胞組織球症」と診断され、背骨が解けるなどの症状が出ていたことを公表した右腕。前を向けるようになるまでには、相当の時間がかかった。

 今春のキャンプ中に体調が悪化し、すぐさま病院を受診した。当初は原因がわからず、がんの可能性もあると告げられた。「とにかくパニックになって、すぐお母さんに泣きながら電話して……」。母の由香さんは田上が高校生の頃に乳がんを患った。右腕の胸に残った感情は「心配をかけて申し訳ない」だった。

 その後の診断で「ランゲルハンス細胞組織球症」という聞き覚えのない病名を告げられた。「僕の年齢での発症は世界中でも文献がないほどの例だったらしくて、お医者さんもどう治療していいかわからなかったみたいです」。病院で見せられたレントゲン写真には、背骨にハートマークのような穴がぽっかりと開いていた。「野球なんてどうでもいい。死にたくない。生きたい」――。純粋で、強烈な思いだった。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)

CATEGORY