企画・栗原、会計・甲斐…ノープラン開催、豪華5人の「主力野手会」 現実となった“誓い”

日本シリーズ進出を決めたソフトバンクナイン【写真:冨田成美】
日本シリーズ進出を決めたソフトバンクナイン【写真:冨田成美】

17日のCSファイナル第2戦後、突如決まった主力5人による食事会

「ノープラン」で開かれた主力野手5人による食事会。「明日で決めよう」。誓い合った言葉は、現実のものになった。

 ホークスは17日のCSファイナルステージ第2戦で快勝を収め、日本シリーズ進出に王手をかけた。その試合後に急遽、食事会が開かれていた。メンバーは甲斐拓也捕手、近藤健介外野手、周東佑京内野手、栗原陵矢内野手、柳町達外野手の5人。どのような経緯で開催されたのか? 支払いをしたのは誰? そこで話された内容は? 鷹フルが“極秘会”を探ってみた。

「クリが当日いきなり行こうって誘って。肉食べましたね」。甲斐が明かした“発案者”は栗原だった。「野球の話とか、いろいろですね。頑張ろうぜ、みたいな感じです」。遠征先の試合後に食事をすることは珍しくないが、ホームゲーム後はそんなに多くないという。前もって企画されていたわけではなかったが、主力野手5人が集まることになった。

「本当にたまたまです」。そう口にしたのは栗原だった。「甲斐さんと『行こうか』って話していて、誰か誘おうかみたいになったんです。それでコンさん、達と一緒にバッティングしていたので、『どうすか』『空いていますか』みたいな感じでした」と舞台裏を明かした。

 和やかな雰囲気での食事。特に口数が多かったのは「コンさんですかね……」という。「でも、野球の話だとみんなしゃべりますよ」と、先輩後輩は関係なく、全員で会話を交わしたそうだ。

「なんか流れで(行こう)って感じでしたね。時間もあったので」。笑顔で食事会を振り返ったのは近藤だ。右足首の故障からCSで復帰するため、張り詰めた表情で調整を続ける日々を送ってきただけに、仲間たちと久しぶりの語らいは最高の気分転換になったのだろう。「たわいもない話です。リラックスできました」と笑みを浮かべた。支払いについては「甲斐さんにごちそうになりました」と、1学年上の先輩に感謝を口にしていた。

 選手会長の周東は「クリに誘われました。試合終わってすぐくらいに。普通に野球の話をしただけです」と明かした。メンバーで一番年下の柳町はCSファイナルでベンチスタートが続いていただけに、励ましたのかと聞くと、「全然、普通です」ときっぱり。「シーズン中もあんまり出ていないじゃないですか」との“辛口コメント”も周東らしかった。

 「肉が食べたかったんじゃないですか、甲斐さんが。そういう気分だったんじゃないですかね」。そう笑ったのは柳町だった。「普通に飯行こうぜって感じで。面白い雰囲気でした」と5人がざっくばらんに語り合ったようだ。食事の最後には全員で思いを通じ合わせたという。「明日勝って決めよう」——。

 前夜の誓いは18日、現実となった。無傷の3連勝で日本シリーズ進出を決めた一戦で4安打を放った近藤は試合後、こう口にした。「きょう決めようと話していたので。それができてよかったと思います」。それぞれの思いが形となり、大きな関門を乗り越えた。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)