デスパイネが伝えられなかった「最後のメッセージ」 今季20発…“再復帰”の可能性は?

元ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ(左)【写真:上杉あずさ】
元ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ(左)【写真:上杉あずさ】

今後も現役続行「メキシコであっても、キューバであっても続けたい」

 昨季限りでホークスを退団したアルフレド・デスパイネ外野手が3日、ウエスタン・リーグのオリックス戦が行われたタマスタ筑後を訪れた。キューバリーグのシーズンを終え、オフを利用して来日したという元助っ人。ファームにいるかつてのチームメートらと旧交を温めたのちに2軍戦も観戦。退団に際して残せなかったホークスファンへのメッセージなどを聞いた。

 2014年にロッテに入団してNPBでのキャリアをスタートさせたデスパイネは、2017年にホークスへ移籍。加入1年目に35本塁打、103打点で2冠王に輝くなど、2022年までの6年間にわたってチームの主軸を担った。2022年シーズンで一度は退団したものの、2023年途中に復帰。20試合出場で打率.071(42打数3安打)、0本塁打と結果を残せず、再び退団となっていた。

 ホークスで7年間プレーし、4年連続日本一にも輝くなど、多大な貢献をした助っ人。「この7年間、チームの一員となれて本当に光栄でした。7年間あっという間だったんですけど、みんなでいい期間も過ごせたし、みんなでいい仕事もできたので。忘れられない時間だったと思います」とホークスでの日々を振り返り、1番の思い出には「4年連続日本一ですね」と、2017年からの“快挙”を挙げた。

 昨季はシーズン途中の電撃復帰ということもあり、適応に苦しんだ。怪我もあって、わずか20試合出場に終わり、救世主にはなれなかった。「シーズン途中だったんですけど、再加入ができたことは嬉しかったですし、みんなの顔が見られてよかったです。自分の思うようにはいかなかったシーズンでしたけど、それも野球ですね」。デスパイネ自身も難しさを感じたという。

 母国に戻り、今季はキューバリーグでプレーしていた。レギュラーシーズンで58試合に出場して打率.378、20本塁打と好成績を残した。「もう1日1日ですね。あとは続けることが大事だと思っています。メキシコであっても、キューバであっても、現役を続けたいなと思っています」と、38歳は今後もプレーを続けるつもりでいる。

 今後、ホークスに戻ってくる可能性について「それはないですね」と笑っていたが、球団とホークスファンへの感謝は尽きない。「素晴らしいチーム、素晴らしいチームメート、素晴らしい球団だったと思いますし、本当に家族のような存在です」と表現する。

 ファンに向けては「この7年間、応援していただいてとても嬉しかったです。今回は旅行で来たんですけど、みんなと再会できましたし、チームはいい仕事をしている。継続して、優勝してほしいなと思っています」とメッセージを残した。願うはホークスにとって4年ぶりのリーグ優勝。遠く離れたキューバで、その瞬間を待っている。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)