2軍降格後は打率.103「焦った気持ちあった」 1軍再昇格を目指す増田珠の心中

ソフトバンク・増田珠【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・増田珠【写真:藤浦一都】

中村晃からかけられた言葉「1年間で8回、1軍と2軍を行ったり来たりした」

 1軍再昇格、そして“レギュラー奪取”に向けて重要な時間だ。現在ファームで調整中のソフトバンク・増田珠内野手が、トンネルを抜けようともがいている。5月5日に出場選手登録を抹消になって以降、2軍では29打数3安打、打率.103。6試合連続ノーヒット中と、なかなか結果が出ていない。

「最近ちょっと状態悪くて、どうしてもタイミングが……。右肩が(早く)出ちゃっていて。そうすると、捉えたと思ったのがゴロになったり、右肩が早く出ないようにって思うと詰まったりっていうのがあって」。思うような打撃ができない現状に、頭を悩ませている。

 小久保裕紀2軍監督も「単純に開きが早いと思います。バッターってそこなんですよ、一番は。後ろの肩が出てくるのがすごく早いので、外の球がすごく遠く感じている見逃し方や空振りをする」と増田の現状を説明する。

「タイミングが合っていないから、多分そうなりやすいんだとは思うんです。タイミングに余裕があれば、操作しやすいと思うんですけど、どうしても遅れちゃうと急ぐんで」と語る増田の口調には試行錯誤の色が見て取れる。1軍にいる間も「徐々にそうなってきたとは思います。真っ直ぐが来なくなったり、変化球が多くなったりとかっていうのがあったり。インコースを意識するとそうなりやすいなっていうのは感じました」と分析する。

 2軍で3割4分の打率を残し、4月19日に1軍に昇格。打撃の状態も良かったため、警戒され、徐々に厳しく内角を攻められるようになった。「(1軍では)インコースを見せられて、外で勝負っていうのがあった。2軍でも3番を打たせてもらったりするので、相手もやっぱり攻め方が違う」。これまで以上に厳しい相手バッテリーの攻めに苦戦している。

「ちょっと状態が上がってくるまではインコースは捨ててもいいかもしれない」。トンネルの中にいる自覚はある。ただ、頭でわかっていても、それを表現することは簡単なことではない。「わかっているんで、わかっているだけ幸いかなとも思うんですけど、わかっているけど、修正できない、 試合で表現できないっていうもどかしさはあります」。

 苦しいはずだが、客観的に自分を見ている部分もある。「1年戦っていたら2、3回はそういうタイミングがあるんで。ここを乗り越えれば、またいい感じで来られるかな。ここでしっかりと早めに早めに修正できるように」。直面している壁を乗り越えられたら、選手として一皮剥けるチャンス。「自分の悪くなった時の原因探しになると思う。引き出し増やしていけたら」と前を向く。

 5日に登録抹消された時は決して状態が悪いわけではなかった。わずか16日で2軍に戻ることになった。「それはもう皆さんにも言ってもらいましたし、小久保監督からもそういう話していただいたんで……」。複雑そうな表情も見せたが、増田はこうも言う。

「レギュラーを取りに行くには、そういう時期ってどの選手でも絶対にあると思う。(中村)晃さんとかレギュラー取るまで、1年間で8回、1軍と2軍を行ったり来たりしたって言っていたんで。そういう時期も絶対必要だなと思うので、ここをしっかり乗り越えて、早めに1軍に行けるようには頑張りたい。ちょっと焦った気持ちもあったと思うので。 10日経った時には、絶対上がってやるっていう気持ちはもちろんあったので。それで、ちょっと結果を、というところになってしまった自分はいたのかなと思う」

 レギュラーへの道は平坦ではないが、ここを越えた先には新たな自分がいるはず。ファンは待っている。“増男”が元気いっぱいで1軍に戻ってくる日を。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)