ファーム・リーグ西地区初優勝…指揮官が語ったこと
ソフトバンクの2軍が16日、ファーム・リーグ西地区の初優勝を決めた。優勝マジックを「1」として迎えたこの日、杉本商事バファローズスタジアム舞洲で予定されていた2位オリックスとの直接対決は雨天中止となった。ファーム・リーグでは中止試合の振り替えが行われないため、残り試合で2位オリックスが勝率で上回る可能性が消滅し、地区優勝が決定した。
この日、選手たちは室内練習場で約2時間、汗を流した。練習後には斉藤和巳2軍監督の胴上げが行われ、指揮官は「タマスタ筑後」の開業10周年にちなんで10回宙を舞った。優勝決定後に取材に応じた斉藤2軍監督の一問一答は以下の通り。
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今の気持ちは?
「雨で中止になっての優勝なんで、拍子抜けしている感じです」
まさか雨天中止で優勝が決まるとは。
「ね。プロ野球史上あったんかなって。1、2軍合わせて、こういう優勝の仕方って。でも優勝は優勝なんで、そこはよかったなと思います」
2軍監督として1年間過ごした中、今年を振り返って。
「大変なことがもちろん多かったです。ただ個人的にもいろいろ勉強にもなりましたし、2軍とはこういうことなんやっていうことも肌で感じさせてもらいました。2軍で育った選手が1軍定着とまではなかなかみんないかなかったですけど、1軍に上がって結果を残してくれたりすることもあったので、そういう喜びっていうのを初めて体感して、2軍の指導者の醍醐味はそういうところにあるのかなっていう感じです」
選手を育てながら勝つというところで、難しさがあると思うが、どのようなこと意識して今年1年戦ってきたか。
「勝つに越したことはないんですけど、勝つことだけを考えてやってきたことはほとんどない、というか一切なかった。だけど、チームとしてこういう結果を残せたっていうのは、改めてうちの選手の能力の高さというか、まだまだ未熟なところは多い選手たちなんですけど、そういう選手たちが集結すると、こういう結果は残せるんだなと感じています」
選手たちの成長を感じた場面で、何か印象的な試合は?
「物忘れが激しいんで、最近(笑)。もう春先のこととかはちょっと忘れてしまっているんですけど。印象的なのはところは選手1人1人に色々ありますし、成長しているところも見ながら、でも『またちょっと後退してきたかな』とか。成長し続けるっていうのは非常に難しいことなので、3歩進んで2歩下がったり、3歩下がったりとか、そういうことも繰り返しながらやってきているので、プレーというよりも、選手のもがいている姿であったり、もがいた時間があるからこそまた成長できた瞬間に立ち会うことができたりっていうのが一番印象的ですね」
この優勝を1軍での活躍につなげるために、選手たちにどんなことを期待する?
「自立。継続。これはマストな感じがします。ホークスは施設もそうですし、スタッフも揃っているので、自分が困ったことはすべて手助けしていただける環境は12球団のトップクラス。ただ、そこに甘えていてもしょうがないですし、それを生かすのも本人次第なので。そういったところをフォローしていったりアプローチしたりするのが我々の仕事でもあるかなと思うので。その中で選手は1人1人自立しながら、自分のやるべきことを継続していくことが必要だと思います」
4軍、3軍、そして今年2軍監督の1年目での優勝。今回の優勝はどういった意味があるか?
「難しいよね。勝っているということなので、嬉しいことではあるけど、ただ、そこを目指してきたわけではないんで。現に今日、優勝がかかったところで、何か感情が変化するかというと、それもなかったですし。一番は選手1人1人が成長していける状況、空気を作ることが我々の仕事で、2軍で優勝することが我々の仕事ではないので。ただ、1年やってきたご褒美として、頑張ってきたご褒美としてこういった結果は嬉しく思うかな」
ファンの皆様へメッセージ。
「無事、優勝することができました。タマスタ筑後にも毎試合のように本当に多くのファンの方に応援に来ていただいたということが、選手だけじゃなく我々も非常に力をもらいました。やっぱり見られる中でプレーをしたり、野球をするということは本当に幸せなこと。それがこういった結果に結びつけられたのは、非常に嬉しく思っています。まだまだシーズンも終わってないですし、1軍もこの先ペナントレースであったりポストシーズンが残っているので。その試合にこの2軍から1人でも多くチームに貢献できるように、力になれるような選手をサポートできるように引き続き頑張っていきたいと思います。ありがとうございます」
1軍もマジック3で優勝目前。強い2軍があるからこそ1軍も強くいられるといった相互関係がある。
「外から見ていただいている人たちに、そう見ていただけるのは、現場を預かっている者としてはすごく助かります。ただ、それが本当に直結しているのかというと、個人的にはまだまだ直結させることはできていないなっていうのは思います」
どういうところに直結できていないと?
「今いる選手たちが1軍に上がっても、落ちてきたりっていうのを繰り返したりしているんで。定着できないというところと、させることができなかったっていうところは、我々の責任があるとは思う。2軍が強いのが1軍に直結しているかといえば、個人的には物足りなさというか不甲斐なさを感じています」
喜びよりもそういった歯痒さのほうが大きい?
「個人的にはそうですね。僕1人の気持ちだけを話すと、そっちの方がやっぱり多いですね。1人1人の能力が高いので、優勝という形を作れたのは間違いない。ただ、そういった選手がいるのに、なかなか1軍に割って入れず、主力としてというか、レギュラーっていうのはなかなか難しい部分もあるかもしれないですけど、そのあたりの選手を作るというと偉そうな言い方になりますけど、育成・教育ができなかったっていうのは自分の中では反省すべき点で、悔いが残っているところはあります」
1軍に定着する選手が超えないといけない壁はどのようなところになる?
「いろいろあるかもしれないね、壁ってね。これは1軍のチーム状況とかもあるんで。2軍の選手が常に調子がいい状態で上がれるとも限らない。調子が良くても上がれない状況もあるし、それも壁といえば壁。1軍に上がってもなかなか思い通りに結果を出し続けられないっていうのも1つの壁ですし、その状況でいろんな壁はあると思います。僕らにはどうすることもできない壁もあるので」
10月にはファーム日本選手権。日本一を目指して戦う。
「これはシーズンもそうですけど、やるからには勝ちたいのはある。これは僕個人の考えなんで、これからコーディネーターの人たちといろんなことを議論するのかもしれないですけど、現時点で思っているのは選手権も変わらずいきたいなと。いろんな経験をさせてあげたいなと。彼ら1人1人の今後に繋がるように、繋げてもらえるような試合をしたいなっていうことに変わりはないです」
(森大樹 / Daiki Mori)