西田哲朗広報が語る山本祐大の“素顔”とは
悲願のパ・リーグ3連覇に向けて、勝負の9月が始まりました。歓喜の瞬間を目指してチームが戦う中、西田哲朗広報がスポットを当てたのは、今年5月からトレードで加入した山本祐大捕手です。グラウンドで見せる凛々しい姿の裏に隠された意外な“素顔”。遠征先で食事をともにした時、「キャッチャーらしくていいな」と思った瞬間がありました。西田広報も絶賛する「スター性」。さらに今宮健太内野手にも通ずる安定した“コメント力”まで、27歳の謙虚な人柄に迫ります。
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鷹フル読者の皆さん、こんにちは。長いペナントレースも終盤戦に突入しました。選手たちはもちろん、僕たちスタッフにとってもここからが頑張る時。リーグ優勝という目標を少しでも彩るために、絶対に準備は欠かせません。豊富な経験があるとは思いますけど、選手の表情から緊張感も伝わってきますから。目の前の一戦一戦を、僕たちも全力で勝ち抜いていきたいところです。
今回は、5月にトレードで入団した山本祐大選手についてお話をしてみようかなと思います。まずは、シンプルにホークスのユニホームが似合っていますよね。あとは、自分の見せ方が“上手い”なと。客観的に見ている部分もあるんじゃないですかね。素を見せないというか、本当はもっと面白い人なんだと思います。食事に行った時、祐大も一緒になったことがあったんです。
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食事に行った時も「キャッチャーらしくていいな」
遠征先で柳田(悠岐)さんから誘っていただいて、そこに祐大も来ることになりました。7人くらいだったんですけど、みんなでお店に歩いて向かっていると、祐大と2人で話す流れになったんですよね。
彼はホークスを「分析」していたんですよ。小久保(裕紀)監督の話にもなりました。「怖いですよね」と。その場にいるだけで、空気がピリッとする、させることができる。そういうふうに言うと祐大も「めちゃくちゃわかります」と言っていました。高校時代とかの監督って、やっぱり怖いじゃないですか。「あの感覚を思い出しました」と。そういうことを考えながらプレーしているんだなと、僕も勉強になりましたね。
実際に食事の場でも、自分から発言するんじゃなくて、人の話を聞いてから何かを言う。基本的に“受け身”なところがキャッチャーらしくていいなと思いました。話してみたら的確に人を見ているし、人の仕草とかを観察している感じも伝わってきた気がします。
僕も祐大とは同じ大阪出身。現役時代には楽天からのトレードでホークスに入団しました。移籍はすごくポイントになるところなんです。僕は彼にも言っているんですけど、スターの性質を持っていると思いますね。ホークスに来て、チームを背負っていくキャッチャーになってほしいです。僕は基本的になるべく選手より早く球場入りするようにしています。試合前の練習が始まるさらに前、ロッカーで祐大がノートを書いているところもよく見かけますね。
8月4日のヒーローインタビュー…コメントから見えた謙虚さ
ヒーローインタビューは、これまでビジターが多いですかね。印象に残っているのは8月4日の日本ハム戦(京セラドーム)。「南海ホークス復刻ナイターin大阪」として行われ、祐大は決勝の犠牲フライを打ったので、上沢(直之)と一緒にインタビューを受けてもらうことになりました。この時に、祐大の“凄さ”を感じましたね。
数年に1度のイベント。南海時代からファンの方も球場に来られていたと思います。だからヒーローインタビューの前に、南海の知識をちょっとだけ選手に入れておかないといけないなと思ったんです。「そういうふうに言ってくれ」というのではないですよ。ただ知識を伝えておいて、意識をしてもらうだけで発言も変わるじゃないですか。そうすることで僕の中でも、ある程度コメントの“予想”がつくんですよね。
祐大にも「これを教えたらこう言うかな」と思って、ヒーローインタビューの前に話をしました。そしたら彼は、その場で話すことをパッと決めたんですよ。「南海時代のユニホームを着てどうですか」という質問に、祐大はこう答えました。
「選手の中ではホークス歴が一番浅い自分ですが、歴史のあるユニホームに袖を通して、すごく身が引き締まる思いでした。歴代、活躍してきた人がいるからプロ野球が続いていると思っているので、なんとか継承できるように僕も頑張っていきたいなと思います」
自ら「トレードで来たばかりですけど……」と、まずは謙遜から入っていますよね。そこからコメントが作り上げられていた。まとめる力があったし、そこには彼の“謙虚さ”があるなと思いました。コメント力という意味では、タイプ的には今宮健太と同じかなと。僕はいつも今宮の発言は政治家のようだなと思っているのですが、祐大にも似たようなものを感じました。
山川(穂高)や近藤(健介)が来た時もそうだったのですが、はじめはインタビューの依頼をお断りしつつ、まずは環境に慣れてもらうように僕としても心がけていました。当然、依頼は多いです。全部を受け入れても、選手本来の良さが出ないので。様子を見てきたところなんですけど、ようやく少しずつ、祐大にもインタビューを入れていけそうだなと思っています。
インタビューのお願いをする時も「わかりました! 僕でよければ全力でやらせてもらいます!」と、こちらまで気持ちよくなる返事をくれますね。謙虚から入るけど、掴みどころをちゃんと持っている。ファンの方々をお待たせしたかもしれませんが、メディア露出も通しながら、彼の魅力をお届けできるように頑張っていきたいですね。そして何より、リーグ優勝を掴み取れるように、改めて熱いご声援を選手たちに送っていただければ嬉しいです。よろしくお願いします。
(竹村岳 / Gaku Takemura)