杉山3連投の舞台裏…指揮官が優しい口調で溢した言葉
このタイミングで首脳陣が打った“勝負手”だった。28日に京セラドームで行われたオリックス戦。先発の前田悠伍投手が7回無失点の快投、8回をダーウィンゾン・ヘルナンデス投手がゼロでつなぐと、9回のマウンドに上がったのは杉山一樹投手だった。これで26日、27日のロッテ戦(ZOZOマリン)に続き、3日連続の登板となった。
初回に2点を先制したものの、その後は両チーム無得点。2点リードの9回に登板した杉山は、先頭の太田に右前打を許したが、後続をきっちり抑え、最後は代打・山中を二ゴロに打ち取った。追加点を奪えないまま迎えた嫌な流れをかき消し、見事に今季26セーブ目を挙げた。
昨シーズンも杉山の3日連続の登板は、5月5日の西武戦(ベルーナドーム)での1回だけだった。このタイミングで首脳陣が下した決断ーー。3連投を任された杉山、そして倉野信次投手チーフコーチ兼ヘッドコーディネーター(投手)の言葉から舞台裏を探った。
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この先で分かる3つのこと
倉野コーチが語る、杉山に9回を託した「起用の裏側」
3連投を解禁した小久保監督が漏らした「本音の評価」
痛恨の同点劇から杉山が立ち直れた「特別な想い」
「疲れはあるでしょうけど、9回を投げられるパフォーマンスがあると思ったので。でも、みんな疲れているので。疲れた中でパフォーマンスを出せるかどうかというところですね」
そう明かしたのは、倉野コーチだ。この2試合、勝ちパターンで起用された津森宥紀投手、そして松本裕樹投手も連投した状態で迎えた一戦。3連投で今季44試合目のマウンドに上がったのは杉山だった。3カード連続ビジターでの8試合。遠征が始まる前の24日の投手練習では倉野コーチも「ここは踏ん張りどころです」と話していた。「あくまでも決めたのは監督なので」と言いつつも、起用に応える最高の結果で示した。
“最終決定”を下した小久保監督はこう話す。「3連投まではいこうと。クローザーだけは3連投で、と」。記者の質問に対して、指揮官は1度言葉を区切り、続けた。「立派ですね。しっかりと抑えてくれました」。落とせない接戦を制した直後に優しい口調で語った。それがこの1勝の重みを物語っていた。
杉山は26セーブ目「気持ちは入っていました」
杉山は22日のオリックス戦(みずほPayPayドーム)の試合前練習中に右足首を痛め、2試合続けてベンチ入りメンバーを外れた。そして、復帰登板となった26日のロッテ戦(ZOZOマリン)で2点リードの9回に登板し、同点に追いつかれた。このタイミングでの”3連投解禁”にも、淡々と試合を振り返った。
「一昨日のこともあったので、気持ちは入っていましたね。でも、疲れは大丈夫です。連投はあまり気にしていなかったですね」
4月11日の日本ハム戦(エスコンフィールド)。自らのふがいない投球に怒りを鎮められず、ベンチを殴打した。「申し訳ないという気持ちだけです。信頼をもう一度取り戻すには、これからの姿で示していくしかないと思う」。そう口にしていた。復帰後はどんな展開でも黙々と腕を振り続けている。
1勝の重みが増す夏場。最後のマウンドを任された背番号「40」は、しっかりと試合を締めくくった。「変わらず、勝ちで終われるように。それだけです」。この1勝で、チームの優勝マジックは「20」まで減った。「よく投げてくれました」と倉野コーチも投球を称えた。3連投という勝負手に応えた右腕に、一つ新たな信頼が積み上がった。
(森大樹 / Daiki Mori)