周東佑京「存在すら知らなかった」 野球人生を変えた8年前の出会い…振り返る“もう1つの球宴”

  • 記者:長濱幸治
    2026.07.29
  • 1軍
オールスターの舞台で笑顔がはじける周東佑京(右)と栗原陵矢【写真:栗木一考】
オールスターの舞台で笑顔がはじける周東佑京(右)と栗原陵矢【写真:栗木一考】

レイエスのプレーにリクエスト要求の仕草も

 ホークスが誇るスピードスターは、夢の球宴に欠かせない存在となった。28日に東京ドームで行われた「マイナビオールスターゲーム2026」。全パの2番・中堅として先発出場したのが周東佑京外野手だ。打撃では3打数無安打に終わったものの、4回に球場を沸かせる好捕を披露。3回には本塁でタッチアウトとなったレイエスのプレーに対してリクエストを要求するそぶりを見せるなど、普段は見られない満面の笑みを浮かべていた。

 今回の球宴出場は3年連続3度目となった。今や球界で押しも押されもせぬスターとなった30歳だが、その原点が「もう1つのオールスター」にあることはあまり知られていない。「正直、プロに入るまで存在すら知らなかったです」。いたずらっぽく笑った周東に訪れた、偶然の出会い――。スターダムを駆け上がるきっかけとなったのは、今からさかのぼること8年前のある試合だった。

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この先で分かる3つのこと

2018年の球宴が運命を変えた…野球人生激変の秘話
代表監督の視察を全く知らなかった? サプライズ選出の裏側
背番号121が代表入り…スターダムを駆け上がった男の原点

「あれで代表に選ばれて、というのがあるから。その後のU-23もでかかったと思うし、僕の野球人生にとって大きな分岐点になったことは間違いないですよね。」

「野球人生の大きな分岐点になったのは間違いない」

 周東が振り返った「あれ」とは、2018年7月12日に青森県・弘前で行われたフレッシュオールスターだった。当時、背番号121を背負ったルーキーは2安打を放ち、優秀選手賞に輝いた。「フレッシュオールスターの存在すら知らなかったので。『そんなのあるんだ』って感じでした(笑)」。次代の球界を担うニュースターが集う舞台で存在感を示した一方で、その後の野球人生を左右する“運命の出会い”があった。

「稲葉さんが球場に来られていたことも知らなくて。試合が終わった後も話していないと思います」。あっけらかんと語った周東だが、“世界への道”はこの時に始まっていた。当時、野球日本代表「侍ジャパン」の監督を務めていた稲葉篤紀氏がフレッシュオールスターを視察。そこで異次元のスピードを誇る周東が目に留まり、同年のオフに開催されたU-23ワールドカップには育成選手ながらも選出された。

 その後の活躍はもはや説明不要だろう。最高峰の舞台で世界を驚かせた瞬足は、弘前での「あの試合」がなければ日の目を浴びることはなかったかもしれない。「あの時は『絶対にアピールしてやろう』とか、そういう思いは全くなかったので。何も考えていなかったんじゃないですか?(笑)」。そう笑い飛ばすのも、また周東らしい。

 運命の出会いから8年、今や球界を代表するスターとなった。「意気込みは特にないです! とにかく怪我をせず、楽しんでやれればそれでいいと思います」。わずかだが、確かな輝きを示した“もう一つのオールスター”。この時期が来ると、また思い出す。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)