6回に6失点で逆転負け…倉野コーチ「野手に申し訳ない」
まさかの逆転負けとなってしまった。「野手の人に申し訳ないなという思いしかないですね。せっかく6点も取ってくれた試合でああいう逆転負けをしてしまうのは、僕はすごく責任を感じています」。25日の西武戦(ベルーナドーム)をこう振り返ったのは、倉野信次投手チーフコーチ兼ヘッドコーディネーター(投手)だ。チームの前半戦を支えてきた大黒柱の大量失点に何を感じたのかーー。
先発・大津亮介投手は自身初となる10勝目を目指してマウンドに上がった。5回までは走者を出しながらも2失点に抑えていたが、4点リードの6回に崩れた。連続四球などで無死満塁とすると仲三に右前適時打を許したところで降板。後を受けたダーウィンゾン・ヘルナンデス投手が西川、滝澤の連続適時打で1点差に迫られると、石井の中犠飛や、2つのボークなどで追加点を許して逆転された。
ベルーナドーム特有の暑さも、大きな敵だった。6回途中、大津は自らベンチに合図を出して、水分を補給。「暑さ対策をしてきたつもりですけど、右足が怪しいなというところで打たれてしまいました」と、足をつっていたという。結果的には今季自己ワーストの5四球6失点の投球。試合後、倉野コーチは「そうですね……」と約5秒間考え込んだ後、言葉を選びながら右腕の投球を振り返った。
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この先で分かる3つのこと
乱れた大津を倉野コーチが「一切責めない」と語る真意
6回の投球だけじゃない…コーチが指摘した「本当の課題」
試練を迎えた大津へ、倉野コーチが求める「もう1つ上」
「大津がここまで本当に『1つの柱』としてやってきて、チームを助けてくれたんですけど、ちょっと踏ん張りどころかなっていうところに来てるかなとは思うんですよね。信頼度は高いですけど、でも乗り越えてもらいたいですし、乗り越えなきゃいけないとは思うので。本人も思うところはあるとは思います」
前半戦を支えてきた右腕が、壁にぶつかっている。前回登板となった18日のロッテ戦(ZOZOマリン)でも5回7安打3失点。夏場に入り、2試合続けて6回を投げ切ることができなかった。この日は自己ワーストタイの5四球。大津が「四球はコースを狙いすぎた部分があったので、反省点です」と振り返れば、小久保裕紀監督も6回の2四球に「四球、2者連続はない」と厳しい言葉を向けていた。
では、倉野コーチの目にはどう映ったのか。
「足をつるのは、こういう条件の中ではあり得る話ですし、攣らないように対策をしていた中でもそうなったわけなので、そこを責めるつもりは全くないです。でも、それだけじゃなくて試合全体を見てですね。あの6回のことだけを言ってるわけではない。点の取られ方が悪いですよね。2回の2点もそうです」
打線は初回、正木智也外野手の先頭打者アーチで先制。2回には柳町達外野手の適時二塁打、庄子雄大内野手のセーフティースクイズで2点を追加して、リードを3点に広げた。だが、その裏、2死一塁から3連打を浴びて2失点。6回も川瀬晃内野手と柳町の適時打で3点を追加した直後、大量失点を喫して試合の流れを手放した。倉野コーチは試合中も何度かベンチやマウンドで声をかけていた。
「ちょこちょこ声は掛けますけど、試合中に大幅に変えることはできないので。もう一度、自分の良さを出すためにどうすればいいのかを見つめ直しながら、乗り越えなきゃいけない時期が今来ているんじゃないかなと思います。今のままで満足していたら、この先の成長はないと思うので。今の現状を踏まえて、自分はどう乗り越えていくか。そこは僕もいろいろ話をしたいと思います」
求めた成長と変わらぬ信頼「何も責めるつもりはない」
もっとも、ここまでチームを支えてきた右腕を責めるつもりは全くない。ローテーションの6番手で開幕を迎えた。だが、開幕投手を務めた上沢直之投手が右肘のコンディション不良で一時離脱。リバン・モイネロ投手も調整が遅れ、ここまで1軍登板がない。先発陣に想定外のアクシデントが相次いだ中で、大津は好投を続けて信頼を積み重ね続けてきた。
「本当にここまで一番貢献してくれてるわけですから、責めるつもりはないです。ここまでは本当にチームを助けてくれているので。ただ、ここで満足しないようにしてほしいというだけ。でも、満足しているとは思えないですし、もうひとつ上にいってほしいなとは思います」
大津自身も、自らに求められる役割を理解している。「終わり方は個人的にも悔しい終わり方になってしまった。ここからまた大事な時期になってくるので、気持ちを切り替えてチームに貢献できるように投げます」。前半戦の柱として築いてきた信頼は揺るがない。だからこそ、その先にあるさらなる成長を首脳陣は求めている。大津亮介は覚悟を胸に、次のマウンドへ向かう。
(森大樹 / Daiki Mori)