村上のタマスタ筑後での公式戦初登板で大津の登場曲が流れた
突然流れた背番号「19」の登場曲――。いつもとは違うマウンドだった。村上泰斗投手が22日のファーム・リーグ中日戦で、タマスタ筑後での公式戦初登板を果たした。7回から2番手でマウンドに上がると、2イニングをパーフェクト。堂々たる投球で存在感を示した。
神戸弘陵高から2024年ドラフト1位で指名され、プロ2年目を迎えた19歳。5月15日のオリックス戦(杉本商事Bs)で中継ぎとして2軍公式戦デビューを飾ると、7月15日の阪神戦(丸亀)では初先発で5回1失点と好投。ファーム・リーグでの初勝利を手に入れた。2軍ではここまで3試合に登板して1勝1敗、防御率2.00という成績を残している。
さらなる飛躍への期待が高まる中、この日のマウンドに向かった村上の背中に流れたのは、大津亮介投手の登場曲、AK-69の「Flying B」だった。試合後、本人が明かした思わぬ舞台裏と、自主トレをともにした「師匠」への感謝の思いとは――。
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この先で分かる3つのこと
ハプニング直後に村上泰斗が抱いた「意外な胸中」とは
ドラ1右腕の成長を支える大津亮介からの教え
公式戦初勝利の直後に「師匠」から届いた一言
「あれは違うんですよ、僕が何か言ったわけじゃなくて(笑)。僕もマウンドに行く時、『これ大津さんのや』って思って。たぶん間違えてかかったんですけど、めっちゃびっくりしました。だけど一周回って、なんか逆に気持ち的には楽になれましたね」
曲のイントロからすぐに違うと気が付いた。突然流れた大津の登場曲は、本人にとっても予期せぬハプニングだった。「でもそれもあって、いつもとは少し違う気持ちで上がれたので。今日は抑えられましたし、良かったのかなと思います」と、笑顔を浮かべながら振り返った。
179センチながらも150キロ台中盤の直球を投げ込む背番号20。大津という憧れの先輩から学んだのは、どんなことなのか。
「フォームであったり、投球の組み立てだったり。正直、今年の僕にとって大津さんに教えてもらっていることはすごく大きいんです。アドバイスもいつもくれるんですよ」。今月8日の3軍戦では、初めてみずほPayPayドームのマウンドに上がり、5回2安打無失点と好投。その登板を見た大津からは「もうちょっとコントロールやな」と、助言を受け取っていた。
2年目の今季は春季キャンプをC組でスタートし、シーズン序盤も3軍での日々が続いた。「まだ積み上げができていない状態で、いきなり結果を求めようとして空回りした部分がありました。でも自主トレで体幹とか基礎の部分をずっとやり続けてきて、やっと自分がやりたいことを体現できるようになってきた。それが一番大きいと思います」。焦る気持ちを抑え、足元を見つめながら積み重ねてきた努力が、ようやく結果として表れ始めた。
️自主トレの師匠・山岡から届いたLINE
1月には大津や木村光投手とともに、沖縄で行われたオリックス・山岡泰輔投手の自主トレに参加した。そこで積み重ねた時間は、村上にとって財産となっている。2軍戦初勝利を挙げた直後には、山岡から「おめでとう」と祝福のLINEも届いた。自主トレをともにした”チーム山岡”の絆は、1軍の舞台を目指し続ける大きな原動力になっている。
「(木村)光さんも、この前まで2軍でずっと話をさせてもらいましたし、(大野)稼頭央さんも復帰が近いと思うので。みんなでいい結果を残せたらいいなと思います。1軍で投げる大津さんの姿もしっかり見ているので。僕も上(1軍)で投げられるように頑張らないといけないなと思います」
投げるたびに成長を感じさせる19歳。斉藤和巳2軍監督も「今後は2軍で先発を見たいなという感じは、さらに強くなっている」と期待を寄せた。「自分自身も、これからも2軍で投げて、上(1軍)に行きたい気持ちはやっぱり強いです」。また一歩、前進したドラフト1位右腕。憧れの先輩が待つ1軍のマウンドへ――。その歩みは、着実に力強さを増している。
(森大樹 / Daiki Mori)