前田純の覚悟がにじんだ121球 胸に残る“1軍でのミス”…貫いた意識と反省「いつ呼ばれてもいいように」

  • 記者:飯田航平
    2026.07.19
  • 2軍
18日の広島戦に先発した前田純【写真:飯田航平】
18日の広島戦に先発した前田純【写真:飯田航平】

18日の広島戦では121球の熱投

 1軍で犯したミスを忘れずに、ここまでやってきた。タマスタ筑後で行われた18日の広島戦。先発のマウンドに上がった前田純投手が、8回を投げて1失点の好投を見せた。「自分のホップ成分を活かすには高めも大事だなというところで、高めでも打ち取ることをテーマにしていました。それで高低を作れたのは良かったです」。1軍再昇格に向けてアピールした左腕の胸には、今も忘れられないシーンが残る。

 この試合で特に印象的だったのが7回だった。球数「83」でこの回を迎えたが、1死から7球目を中前に運ばれ、次打者には13球を投じた。13球目で空振り三振を奪い、一塁走者の盗塁を山本祐大捕手が二塁で刺してダブルプレー。結果的に打者3人で終えることができたが、要した球数は23球に及んだ。

 7回を投げ終えた時点で球数は106球に達していた。しかし、前田純は続く8回も続投。そこには100球を超えてもなお貫いた気概と、1軍登板で露呈した課題への猛省、そして左腕の明確な意志があった。

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この先で分かる3つのこと

・斉藤2軍監督が語る、100球超えの続投を命じた「真意」
・121球を投げ抜いた前田純が口にした頼もしすぎる「本音」
・1軍降格の要因となったミスを克服する「新たな意識」とは

「先発ピッチャーやったら、もっと投げなあかんよ。2軍で『100球を超えてダメです』と言ってるようでは、1軍では長いイニングを任せてもらえない。こういうところで120球、130球と投げられるくらいの気力や体力を投げながらつけることによって、また上に行ったときにも活きる可能性も十分あるので」

 左腕への熱い期待と、続投への思いを口にしたのは斉藤和巳2軍監督だ。前田純が粘られながらも四球を与えなかった姿勢に対し、「あれだけ粘られてもゾーンの中に投げ続けるっていうことも大変なこと。しっかり投げたというのは良かった」と及第点を与えた。

力投する前田純【写真:飯田航平】
力投する前田純【写真:飯田航平】

「毎試合絶対に長いイニングを投げてやる」

 前田純も当然、最後まで投げ抜くための強い気持ちがある。「毎試合、『絶対に長いイニングを投げてやる』という気持ちはあって。投げさせてもらえていたので、そこは譲らずに何球でも投げてやるという気持ちになりましたね」。この日に投じた121球は想定内。「9回もいけると思った」と頼もしい言葉を口にする。

 13球を要した場面についても、「フォアボールを出したら、いつもと変わらないなと思っていましたし、絶対に抑えてやるっていう気持ちもありましたし。粘られていると言っても、前に飛んでいなかったので。そこは割り切って、もう何球でも粘ってやるくらいの気持ちで投げることができたので。良かったのかなって思いました」と振り返る。

 前田純にとって、この試合には数字以上のテーマがあった。1軍で先発した6月25日のオリックス戦では5回1/3を投げて2失点。一塁へのベースカバーが遅れるミスを、首脳陣は見逃さなかった。2軍降格を告げられたが、この試合では一塁線へのファウルボールであってもゴロが転がった瞬間にベースカバーへのスタートを切る姿があった。

「反射の練習とかもして、ノソっと行かないようにやっているので。それが今日の試合でもうまく出せてきているのかなと。そのまま行きたいと思います」。そう背番号51が語るように、意識を持って改善しようとしている姿勢が随所に見受けられた。

 この日、高低を意識した投球の中でも「中途半端な高さがあったこと」を次の反省点に挙げた左腕。それでも、球威を維持して121球を投げ抜いたことは明るい材料だ。「いつ呼ばれてもいいように準備はしています」と力強く語った前田純。同じ失敗はもう繰り返さない。

(飯田航平 / Kohei Iida)

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