柳町達の神がかり的集中力 代打打率8割が“たまたま”ではない理由…根付く中村晃の教え「背中を見てきた」

  • 記者:長濱幸治
    2026.07.15
  • 1軍
決勝打を放ち、笑顔でガッツポーズを見せる柳町達【写真:井上学】
決勝打を放ち、笑顔でガッツポーズを見せる柳町達【写真:井上学】

今季の代打成績は6打席5打数4安打

“神がかり的”としか言えない集中力だ。思い通りに行かない日々の中でも、チームの命運を託された場面で結果を残し続けてきた。「(チームメートが)なんとかつないでくれたチャンスだったので。自分が決めるという気持ちでいきました」。そう明かしたのは柳町達外野手だった。

 14日の日本ハム戦(エスコンフィールド)。同点の9回1死一、二塁の好機で小久保裕紀監督は「代打・柳町」の勝負手を打った。左腕の島本相手にフルカウントからの6球目を捉えた打球は、左中間を破る。勝ち越しの走者を本塁に迎え入れる一打を放った29歳は、満面の笑みでベンチに向けて拳を掲げた。

 昨季は自身初のタイトルとなる最高出塁率に輝いた柳町にとって、現状は満足いくものではない。それ
でも、類いまれなる勝負強さを遺憾無く発揮している。今季の代打成績は6打席で5打数4安打1四球。打率は驚異の8割だ。「たまたまです」。謙遜しながらも柳町が口にしたのは、今季限りでグラウンドを去る先輩からの“教え”だった。

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この先で分かる3つのこと

中村晃が伝授した「究極の準備」の全貌
代打でなぜ打てる?本人が明かす思考法
長谷川コーチが見た「得点圏」の攻略術

「晃さんが色々と経験されたことを、たくさん教えていただいたので。『打席でどういう意識でボールを待っているんですか?』とかも聞いていましたし。あとはあれです。背中をずっと見てきたので。準備という部分を学んできたことが一番かなと思います」

長谷川コーチも驚く集中力「今日も出たなと」

 柳町の躍進を語るには、中村晃内野手の存在を欠かすことはできない。自主トレで師事した先輩は、惜しむことなく一流のエッセンスを与えてくれた。今季限りでの現役引退を表明した師匠への感謝は尽きない。

「代打に限ったことではないですけど、どの打席でも教えてもらったことが生きているのは間違いないです。どんな時でも同じ準備を続ける大変さ。そこは本当に学ぶことが多いです」

 柳町にとっては”師匠の師匠”にあたる長谷川勇也打撃兼スキルコーチも、29歳の際立つ集中力を絶賛する。「彼には“得点圏での上手さ”というのがやっぱりあるので。『今日も出たな』という感じですね。よく1打席で結果を出したなと思います」。

 言うまでもなく、柳町が目指すのは不動のレギュラーだ。ここまで49試合に出場して打率.242と苦しむが、得点圏打率は.378と抜群の数字を残している。「勝負強さというのは偶然の部分ももちろんあるとは思いますけど、どんな球を待つかの読みも多少はあるんじゃないですかね」。ここぞの場面に強い男の逆襲は、ここからだ。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)