大関友久がもがいた1か月「意味が無いわけがない」 復帰戦への不安も…貫いた“自分を愛する”

  • 記者:長濱幸治
    2026.07.11
  • 1軍
2軍での再調整を経て、1軍マウンドに臨む大関友久【写真:竹村岳】
2軍での再調整を経て、1軍マウンドに臨む大関友久【写真:竹村岳】

2軍での“無期限再調整”を経て1軍マウンドへ

 自らも認めるほど、かつてない苦しみの日々だった。1軍での復帰登板を前にしても、なお残る不安――。それでも悲観することなく、信じた道を突き進んだ。「自分を愛しているからこそ、ですかね」。大関友久投手は真っすぐなまなざしを向けながら、きっぱりと言い切った。

 7年目の今シーズン、大関を待っていたのは厳しい現実だった。先発陣の柱と期待されながら、ここまで8試合に登板して2勝4敗、防御率5.55。育成から支配下に昇格した2021年以降、シーズン防御率は常に2点台以下と安定した投球を続け、昨季は自身初のタイトルとなる最高勝率に輝いた左腕。プロ入り後にここまで苦しんだ姿を見たのは初めてだった。

 2軍での“無期限再調整”を経て、11日の楽天戦(みずほPayPayドーム)で1か月ぶりに1軍登板に臨む大関。球速低下という課題と正面から向き合い、この期間で体重を4キロ増やしてきた。これまでにない緊張感の中で臨むマウンド――。左腕が明かしたのは、偽らざる本音だった。

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この先で分かる3つのこと

大関が語った「自分を愛する」という言葉の真意
2軍で信じ続けた「苦しみの先にある進化」の正体
復帰登板を前に抱く、手応えと不安が混ざる本音とは

「手応えもありますし、不安な面もあるというのが正直なところです。実際に本番でどれくらい力を出せるのかは、まだわからないので。(登板)当日はあまり考えすぎず、腹をくくって投げたいなと思います」 

大関が向き合った1か月間「綺麗ごと抜きに…」

 大関は甘い言葉で自らを飾ることなく、現状を見据えていた。昨季のタイトルホルダーが過ごした2軍での日々。自身を信じられなくなった瞬間はなかったのか――。その問いかけに左腕は迷うことなく言葉をつないだ。

「自分が成長するために必要な期間だったなと思います。自分には目指すところ、将来こうなりたいと思う姿があるので。もっと言えば自分を愛しているからこそ、夢に向かって進んでいきたいですし。結果が出ないこと、それはもちろん面白くはないですけど、かといって悲観的なわけでもない。そう考えながらやってきましたね」

 野球人生における苦難は、決してネガティブなことばかりではない。大関は知っている。「これまで野球をやってきて、うまくいかないことの後には必ず進化が待っていると思うんです。だから、今苦しんでいることに意味が無いわけがない。まだもがいている途中ではありますけど、そう思っています。これまでも毎試合、勝ち続けてきたわけじゃないですし、育成のときにオープン戦で打たれて。挫折もありましたけど、そこで気づいたことが自分を強くしたので。綺麗ごと抜きに、純粋にそう思っていますね」。

 2軍で過ごした1か月間で、体重を85キロから89キロに増やした。「球速に固執するのはいけないと思うんですけど、球速をないがしろにするのも違うなと。自分自身をフラットに見て、今の状態だったら体重を増やして球速を無理なく上げられたほうがいいなと思ったので。必ずしもこれが良くなるかは分からないですけど、このままだと根本的に苦しくなる気がしていたので」。やれることはやった。左腕は覚悟をもってマウンドに上がる。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)