木村光が22日に登録抹消
呼び出された理由はわかっていた。「『あ、これは抹消やな』と思いました」。21日、エスコンフィールドで行われた日本ハム戦の後、木村光投手が監督室で再調整を告げられた。翌日には登録を抹消され、23日から2軍に合流。「正直、6月に入ってからぶち当たっていて……」。複雑な表情で吐露したのは初めて直面した壁だった。
4年目の今季は、開幕からリリーフ陣の柱としてチーム最多の27試合に登板し、3勝0敗10ホールド、防御率2.13を記録。開幕から9試合無失点を継続するなど、序盤はブルペンを支えてきた。しかし6月に入り、6日のDeNA戦(横浜)では牧に2ランを許すと、抹消前最後の登板となった20日の日本ハム戦でも1失点とゼロを並べられない試合が続いていた。
5月には疲労を考慮され、リフレッシュ期間として10日間の抹消を経験した。それから約1か月、今回告げられたのは“再調整”だ。その意味合いが全く異なることは、右腕が一番よく理解している。チームにとって必要不可欠な存在だからこそ、小久保裕紀監督から伝えられた言葉があった。
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この先で分かる3つのこと
小久保監督がはっきりと告げた降格理由と託したい「役割」
良かれと思って変えてしまった、フォームの「ある芯」
復調の先に見据える、右腕自らが「絶対最強」と呼ぶ姿
「今の状態だと勝ちパターンでは使えないから、良かった時の状態に戻してきてほしい。そうすれば6回の勝ちパターンで使えるから、春先のボールを投げられるようにしてきてほしい」
それが指揮官からはっきりと伝えられたことだった。「今の投球の状態は疲労なのか、パフォーマンスなのか、ということも聞かれて、『両方です』という話もしました」と明かす。春先からフル回転で駆け抜けてきた右腕自身も、6月に入ってから1つの課題にぶつかっていることを自覚していた。
「疲れが出てから、体が少し動きづらくなっていた。ちょっとしたフォームのズレを修正しようと、色々なことをやっていたんですけど、自分の“芯”としている部分を変えてしまって上手くいかないことがありました。そこから『こうしておくべきだったかな、ランニングの量を増やしておけばよかった』とか、たくさん考え始めてしまって」
2軍降格を告げられる前、最後の登板となった20日の日本ハム戦(エスコンフィールド)。7点リードの6回に登板すると、2四球と安打で1死満塁のピンチを作り、レイエスの犠飛で1点を失った。シーズン序盤の球速は150キロを超えていたが、この日の最速は148キロ。「失点はしましたけど、自分の中ではそこまで(投球が)悪かったと思っていないんです」と振り返る。
「正直、フォーム的にも良い感じの傾向になってきていたので。球速的には落ちていたかもしれないですけど、『球の質』は徐々に戻ってきていました。ただ、まだ自分の中で『絶対これだ』というポイントが完全に見つかっていないので、それが見つかれば、球速も戻ってくると思います」
監督の言葉に感じた「正直もっとできるやろ」
復調すれば「勝ちパターンで使える」。監督の言葉は、復調への“期待”として受け取った。「もちろん、悔しいのは悔しいですね。やっぱり1軍にいたいですから。ただはっきり『6回で使いたい』と言われたので。『正直もっとできるやろ』という意味で言ってもらったのかなと思います」。プロ入り4年目で初めて味わうフル回転の日々。無念の離脱であることは間違いないが、気持ちの面では確かな成長も感じ取っていた。
「自分は常に緊張する方なんですけど、最近は少しだけ慣れてきていました。どこでも投げる立場なので、どんな時も自分のパフォーマンスを最大限に発揮できるメンタル状況を作りたい。そこも見つめ直す期間にしたいなと思います」
最大の武器は、バッターが差し込まれるほど強い直球。その持ち味を再び完全な状態にするため、こだわっていくのは球の質だ。「『もっとこうできたな……』と思う部分もありますけど、これも初めての経験だと思うので」。1度心身を見つめ直して、必ず力強いリスタートを切る。
「4月の状態を超えたら、絶対最強なので。首脳陣から『ちゃんと投げられる』と思ってもらえるように。後半戦でいいパフォーマンスを続けるために、この時間を無駄にしないようにしたいです」
今月23日からの巨人3連戦(タマスタ筑後)は、雨天により2試合が中止となった。練習ではキャッチボールを行わず、ストレッチ中心で体を休めていた右腕。「ゆっくりできたので、ここから泥臭くやっていきます」。“初めての経験”が多くある2026年シーズン。壁を乗り越え、木村光はまた1つ大きくなる。
(森大樹 / Daiki Mori)